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写本の修復と保存

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写本の鑑定方法の詳細



インクの分析


 鑑定結果の信頼性を高めるため、写本に使われていたインクも分析した。顕微分析で定評のある米国イリノイ州のマクローン・アソシエーツ社(McCrone Associates Inc.)が分析した結果、この写本が古い時代のものであることが裏付けられた。
 スイスの顕微検査の専門家ヨセフ・バラベがパピルス文書の数ページを調べたほか、文書の断片が検体として米国のマクローン・アソシエーツ社にも送られた。バラベが行った偏光顕微鏡観察(PLM)では、炭素インク(すすを含む)とタンニン酸鉄インク(没食子インク)がともに存在する可能性が示唆された。
 顕微分析の専門家ジョセフ・スワイダーは、高分解能電界放射型走査型電子顕微鏡を用いてエネルギー分散型X線分析、X線回折測定などを行い表面元素の分析・同定を行った。その結果、インクの主な成分は鉄で、添加物として、すす(炭素)も含まれていることが確認された。
 エレーヌ・シューマッハは透過型電子顕微鏡により、インクには主成分として様々な形態の鉄が含まれ、同時に炭素も存在することを確認した。これ以外にも、より少量ながら多数の成分が認められた。
 ケイト・マーティンによる赤外線分光分析では、インクには3~4世紀当時に添加物としてよく使われていたゴムが含まれていたことが同定された。また、マーティンによるラマン分光分析では、インク中にアモルファス(非結晶)状の炭素と鉄の存在が示され、写本が炭素インクとタンニン酸鉄インクで書かれていることが裏付けられた。
 サンプルの調製はアンナ・ティーツォフが行い、不純物が入らないように細心の注意を払った。
 この写本に使われたインクは、すすを主成分とする炭素インクから、6世紀以降20世紀まで主流となったタンニン酸鉄インクへの移行過程を示している可能性もある。タンニン酸鉄インクは通常、オークの木などの虫こぶを加熱して得られる没食子に、硫酸第一鉄を混ぜて作られた。この方法で作られたインクは、鉄と等量の硫黄を含むことになる。ところが分析した写本のインクには、硫黄はごく少量しか含まれていなかった。フランスのルーブル美術館の報告に、3世紀のエジプトの文書で硫黄を含まない金属インクが使われていた例があるが、このインクには鉄ではなく銅が含まれていた。したがって、これまでの科学分析の報告にない未知の成分をもつインクであるが、3世紀にエジプトで使われていたインクと様々な類似点がみられるという結果が得られた。古代と中世の間の、橋渡し的な時期のインクであった可能性もある。








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