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写本の修復と保存

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写本の鑑定方法の詳細

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「ユダの福音書」の発見と
鑑定・修復・翻訳の詳細


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ロドルフ・カッセル博士の
インタビュー


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写本が公開されるまでの
経緯


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「ユダの福音書」とは

解説:荒俣宏

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コプト学者ロドルフ・カッセル博士に聞く




ロドルフ・カッセル博士(79歳)は、コプト語の世界的な権威であり、ナグ・ハマディ文書を翻訳したことでも知られています。今回はリーダーとして『ユダの福音書』の復元及び翻訳を担当しました。カッセル博士はスイスのジュネーブ大学教授を務めた後、聖職者として活動を続けると同時に、1965年からは南エジプトのコプト考古学スイス・ミッションの考古学発掘主任も務めています。スイスのイベルドン・レ・バン在住。


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Q: 写本の中に『ユダの福音書』が含まれていることがわかったのは、いつごろですか?

A: パピルスに書かれた古い文献があると聞き、私が最初に写本を見た時は、保存が悪く今にも崩れそうで、上にガラス板を敷かないと見られない状況でした。
 そのため、当初はタイトルが書かれている最後のページを見ることはできませんでした。詳細を見ることができるようになったのは、それから何カ月かしてからのことです。その時、初めて写本の内容を確認することができました。
 ユダの福音書が写本に含まれていたのを知ったのは、その時です。

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Q: 写本の存在を知った際の感想は?

A: 実在したと伝えられながらも、写本はすべて処分されたと考えられていた古代の福音書だけに、かつてないほどの興味を覚えました。

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Q: この福音書が本物であるとした根拠は?

A: 古代のパピルスが使われている文書は、これまでも数多く扱ってきました。その経験から、ここまでもろく、見た目も古い偽物を作るのはとても難しいと思います。偽書ということはあり得ないと考えています。
 科学的な検証でも、写本が作られたのは紀元220年~340年という結果が出ています。

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Q: この写本の最も重要な価値は何でしょう?

A: イエスとユダの対話が記された文書の存在が、初めて立証されたことでしょう。この中でイエスはユダに12使徒の他の弟子と違ってイエスの教えを正しく理解していたユダに対し、他の弟子たちから離れてお前にしかできない役割を果たせと説いています。
 そして、物質である肉体を取り除き、真のイエスを解放することが必要だと語り、その行為を敵ではなく、友により行ってほしいと語っています。そして、イエスはユダに官憲に密告するように託したと記されているのです。
 一般には、このユダの行為はイエスに対する裏切りと見られていますが、これが真実だとすると、彼の行為は必ずしも裏切りではなかったことになります。これは以前から神学者の間では知られていた説ですが、それを裏付ける文書がついに見つかったわけです。

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Q: 聖職者として、この写本に困惑したり、恐れを抱いたりしたことはありませんでしたか?

A: 決してありませんでした。私たちは本物でさえあれば、どんな文献でも喜んで検証します。特に魅了されたり、逆に反発したりするわけではなく、書かれていることをただ知りたいのです。

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Q: 写本の状態はいかがでしたか?

A: 初めて見た時、写本は箱に入っていました。ボロボロの状態で、1ページ目しか見られないほどでした。パピルスを傷める恐れがあったため、触れることもままならなかったのです。  このため、しっかりと保管できるような状態に写本を修復することが必要となりました。

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Q: 復元と補修はどのようにして進められたのでしょうか?

A: まず、細かい断片を一つずつ取り出して、ページの順番に並べ替えていきました。全体の4分の3から3分の2ほどは、バラバラになった状態で、ページ番号を読むことができず、それがどのページなのかを特定することさえ困難でした。また、スイスのマエケナス古美術財団が入手する前に写本に触れた人がいたらしく、ページの順番は入れ替わっていました。それで、修復はいっそう難しくなったのです。
 各ページの修復に取り組んだのが、グレゴール・ウルスト教授です。彼はコンピューターに写本の断片を取り込み、すでに翻訳した部分の文章をもとに、空白の部分の文章を埋めていったのです。
 各ページには裏と表の双方に文章が記されていますが、いずれの面でも文章が正しくつながっていなければなりません。しかし、オリジナルの写本を見たことのある人は誰一人としていないのです。
 読んだことがない文章が両面に書かれた1枚の紙を、300ほどの小さな断片に裂き、しかもそのうち75ほどの断片を捨ててしまいます。そうしてその紙を復元すると考えたら、今回の写本の修復がいかに大変な作業かおわかりになるでしょう。

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Q: 現時点で復元されていない個所はありますか?

A: もちろん、いまだに復元されていない部分はあります。例えば最後から3ページ目に、イエスがユダに対し、ユダが使命を果たしたため、彼を司る星が他の使徒のそれよりも明るく光ると語りかける記述があります。この後には、ユダは光の雲の中に入り、その中で言葉をかけられるシーンが記されているのですが、それに続く記述が欠落しています。そのため、誰がユダに声をかけたのかがわからないのです。
 その後ユダは、律法学者や聖職者たちから何をしているのかと尋ねられたと記されています。それからユダは何かを答え、イエスを官憲に引き渡して、金を受け取ったのですが、この重要な部分が欠落しているのです。いずれその謎が解けることを願っています。

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Q: この写本は、当時どんな人たちが翻訳したと思われますか?

A: この写本はもともと、当時、東地中海の標準語として使われていたギリシャ語で書かれているはずです。しかし、その内容を各地に広めるには、現地の言葉に翻訳しなければなりません。エジプトではコプト語に翻訳され、さらにはシリア語やアラム語などにも翻訳されたことでしょう。
 こうした事情からコプト語に翻訳された写本が、エジプトの気候を考慮して洞窟内に大量に保管されていたのではないでしょうか 。

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Q: 写本の保存に関して心配なことがありますか?

A: かなり苦労しましたが、写本はかなり良好な状態に修復されました。これからも長期間にわたり、良好な状態で保管されることが私の切なる希望です。
 写本をどこかへ移さなければならないなら、エジプトに返還されることを望みます。そして写本が展示されている場所は、常に暑すぎず、寒すぎず、決して太陽にさらされることのないようにしてほしい。本当にもろい写本なのですから。

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Q: これほどまでに重要な文献を一般に展示したらどうなると思いますか?

A: 高い関心を集めるでしょう。特にこの分野の専門家の意見は聞きたいところです。私は長期間にわたってこの写本を調べてきましたが、見落としたところが必ずあるでしょうから。
 今後、残る空白を埋めてくれる人が見つかるかもしれません。それを願って、復元しきれなかった部分の写真を提供するつもりです。

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