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本誌12月号の特集「海竜」に新たな事実




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地上を恐竜たちが闊歩していた時代、海では大型の海生爬虫類が泳ぎ回っていた。本誌2005年12月号の特集「古代の海を支配した海竜」では2億5000万~6500万年前に生息していた生息していた首長竜や魚竜など、様々な海の爬虫類について紹介する。そのうち特集の編集時点では学名が特定できていなかった"ゴジラ"という仮称で呼ばれていた海竜について、学名や生態など新たな事実が判明した。
ゴジラの化石は、アルゼンチンの古生物学者ズルマ・ガスパリーニ率いる調査隊が、同国南部の約1億3500万年前の地層から発掘した。肉食恐竜のような頭骨と魚のような尾をもつ、これまでにない奇妙な体形の海生生物で、ほかの海生爬虫類や大型の海生生物を捕食するどう猛な生き物だったとみられる。この調査はナショナル ジオグラフィック協会が支援している。
発掘場所はアンデス山脈のふもとのネウケン盆地で、当時この辺りは太平洋の一部だった。見つかったのは、ほぼ無傷の頭骨と脊椎の一部。調査の結果、この生物は海に生息したワニの仲間(メトリオリンクス類)で、「ダコサウルス・アンディニエンシス(Dakosaurus andiniensis)」と判明した。ダコサウルスは全長が推定4メートルで、4本のひれの形の脚と、魚に似た尾で海を泳いでいた爬虫類で、これまでは体の一部しか見つかっていなかった生物だ。
「歴代の海生ワニのなかでは最も劇的な進化をとげたものだろう」と、共同研究者である米オハイオ州立大学のディエゴ・ポルは言う。ほかの古代の海生ワニは、鼻先が長細く、たくさんの薄い歯をもっており、小型の魚を食べたと考えられている。ところがダコサウルスは、短くて肉食恐竜のような鼻先をもち、歯は鋭くて大きく、のこぎりのようにギザギザしていた。この歯で、海生爬虫類やほかの大型の海生生物をかみちぎったと考えられている。

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