量子論 常識を根底から覆す

[上巻39ページ]

ボーズ＝アインシュタイン凝縮（ BEC）の中にできた渦をシミュレートしたコンピューター画像。量子理論でしか説明できない物質の状態だ。原子を絶対零度に近い低温にまで冷却すると、ボーズ＝アインシュタイン凝縮が起こる。そのときすべての原子は同一の量子エネルギー状態になり、摩擦のない「超原子」として振る舞う。

原始の銀河　最近の銀河とはまったく違う

[上巻75ページ]

発達しそびれた珍しい銀河、ヒクソン・コンパクト銀河群31。より大きく、より高度に進化した大規模な銀河に組み込まれるのを今までどうにかまぬがれてきた、原始の不規則銀河の一群である。

暴走星 あり得ないほど速く動く

[上巻123ページ]

星間媒質の中を秒速およそ24kmという猛スピードで駆け抜けていく、超巨星へびつかい座ゼータ星の赤外線画像。NASAのWISE（広域赤外線探査衛星）が撮影。

銀河の衝突 新たな星を誕生させる

[上巻195ページ]

衝突する二つのアンテナ銀河、「NGC4038」と「NGC4039」の中心部分の合成画像。チャンドラX線観測衛星からのエックス線画像は青、ハッブル宇宙望遠鏡からの可視画像は茶色と黄色、スピッツァー宇宙望遠鏡がとらえた赤外画像は赤で示されている。

ダークマター 物質の95％を占めるが正体は不明

[上巻210ページ]

スーパーコンピューターによるシミュレーション結果から、宇宙の一部におけるダークマターの分布を示した図。ここでは、およそ2億光年四方の領域を切り取っている。目に見える銀河のような物質（ピンクの部分）の周囲に、低温ダークマターが、茫漠とした環が広がるハロー（明るい黄色の部分）として示されている。

太陽のパワー なぜいつまでも輝いているのか

[下巻14ページ]

NASA の太陽・太陽圏観測衛星（SOHO）が撮影した画像。太陽の円盤の極端紫外線画像と、外側にかすかにはみ出た大気やコロナを同時に撮った画像を合成。コロナ質量放出（CME）と呼ばれる大きなガスの噴出が太陽表面に現れている様子がわかる。

ダイナミックな月 地殻変動でわかってきた月の正体

[下巻66ページ]

1992年に、ガリレオ探査機が月の近くを通って木星に向かう途中で観測装置を月の北極に向けた。この画像は、月面にあるさまざまな種類の鉱物の色のコントラストを強くして表示している。青とオレンジは火山性物質、ピンクがかった色の薄い部分は月の高地に由来する物質を示している。

金星の火山 火山活動はいまでも続いているのか

[下巻75ページ]

金星で最も高い標高およそ8km の火山、マート山。レーダー高度測量データとマゼラン探査機の合成開口レーダーが集めたさまざまなデータを合成して、コンピューターでシミュレートした画像。溶岩流からできた裾野が数百km にわたって広がるため、この画像では高さ方向を強調して、全体像がわかるように修正している。

火星の激しい歴史 探査で明らかになった火星の素顔

[下巻90ページ]

NASA のマーズ・リコネサンス・オービターがとらえた火星の息をのむほどクリアな画像。赤道のちょうど北側にあるベクレル・クレーターの複雑な層状の地形。火星のこの一帯の岩は層状の堆積物からできていて、火星の自転軸が大きく傾く周期によってできた模様がしっかりと現れている。この画像では人工的に色をつけ、砂（青）と露出した岩（薄いピンク）を見分けられるようにしている。

エウロパの氷の海 興味が持たれる生命体の存在

[下巻138ページ]

ガリレオ探査機からとらえた、エウロパの表面。画像処理によって着色している。青みがかった部分が純粋な氷で、赤茶色の部分が不純物。画面を横切る線や、しみのような「斑点」はエウロパの外側の層の下にある海から噴き出た物質を表している。