2011年 シリーズ企画 70億人の地球

第2回 「日本が乗り越えてきた4つの人口の波」 鬼頭宏 歴史人口学者
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 まずはここで鬼頭氏による「日本列島の人口波動」というグラフを見てみよう。今から約1万年の間に、日本列島の人口は、大きく見れば右肩上がりで増加してきている。だが、そこには大きく4回の変動ポイントがあった。右肩上がりに増えていた人口が、一時減少するポイントだ。このグラフを見るとわかるように、日本の人口は、1万年の間に大きな4つのピークを描いている。

 こうした人口減少は、出生率を死亡率が上回ることによって起きるが、それを引き起こした原因は、それぞれの時代によってさまざまだった。最初の大きな減少、つまりひとつめのピークが訪れたのは、縄文時代後半。これは気候変動が大きな原因になったと言われている。

日本列島の人口波動
日本列島の人口波動

紀元前6150年~1846年は鬼頭宏『人口から読む日本の歴史』(講談社・2000)、1872年は旧内閣統計局推計、1900年~2010年は総務省統計局『国勢調査報告』、2011年~2100年は国立社会保障・人口問題研究所『全国将来推計人口』

(2) 縄文時代、26万人でピークに

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鬼頭宏
鬼頭宏(きとう ひろし)

1947年生まれ。上智大学経済学部教授。専攻は日本経済史、歴史人口学。「宗門人別改帳」などの史料をもとに、縄文時代から江戸時代までの人口推移をあらためて明らかにした。著書に「人口から読む日本の歴史」「文明としての江戸システム」(ともに講談社学術文庫)、4月には「2100年、人口3分の1の日本」(メディアファクトリー)も刊行。
福光 恵(ふくみつ めぐみ)

1960年東京都生まれ。美術業界で働いたのち、フリーライターに。日経新聞プラス1「コトバの鏡」、アスキードットPC「自腹で大人買い」などの連載あり。

特集より

少子化とメロドラマ (本誌9月号)

50年間で出生率が3分の1になったブラジル。女性たちが「産まない」決断をしていった背景には何があるのか。メロドラマが一役買ったというが……
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食の未来を守る (本誌7月号)

増え続ける人口を支えるには、食料の増産が欠かせない。だが、限られた品種を大量生産する、これまでの農業に頼っていていいのか。作物の“多様性”を守る必要がある。
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沈む国土に生きる (本誌5月号)

人口が増え、国土が水没しつつあるバングラデシュをレポート。これは対岸の火事ではない。近い将来、世界の人々が直面するかもしれない問題なのだ。
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酸性化する海 (本誌4月号)

人間が大気中に排出した二酸化炭素は、やがて海に吸収され、生き物が生息しにくい環境をつくる。100年後、果たしてサンゴやウニは生きていられるのだろうか。
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地球を変える「人類の時代」 (本誌3月号)

中生代は恐竜の時代、新生代は哺乳類の時代と言われるが、今や「人類の時代=人新世」であるという意見が学界でも強くなっている。人間が未来の地球に残す爪跡とは。
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70億人の地球 (本誌1月号)

2011年に70億、2045年に90億に達する人類。その数と欲望を、地球は支えていけるのか。世界の人口の動向とその抑制のための努力を取材したシリーズ第1弾
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  • ビデオ 3分でわかる「70億人の地球」
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