2011年 シリーズ企画 70億人の地球

第1回 「人口急変で、日本は混乱の時代に」石弘之
第1回は北京大学客員教授で、環境問題研究者の石弘之氏に、人口の変化にともなって日本にこれから起こる問題を挙げてもらった。石氏は新聞記者時代からこれまで世界約130カ国を訪れ、人類が地球環境に与えるインパクトについて調査報告してきた。「人口の急激な変化が様々な混乱を招く」と語る。
(インタビュー、文=福光恵)

ベネズエラの首都カラカス郊外
(1月号「70億人の地球」より)

Credit: JONAS BENDIKSEN

(3) 過疎と過密の差が広がり、
   スラムが生まれる

 有史以来初めての人口減少に直面する日本。2050年には1億人を割り込み、今世紀中には7500万人まで人口が減少するという推測もある。一方で、地球は同じ2050年、100億人という未曾有の人口を抱えると言われる。いずれにも共通するのは、急激な変化だ。

 人口の増減は、そのカーブが緩やかであれば、人々は時間をかけてその状況を受け入ることができる。そのため、それほど混乱は生まれない。一方、「急激」な変化は、人口ピラミッドを歪ませ、大きな混乱を引き起こす。

 「最初に世界規模で見てみると、この急激な人口の変化によって、世界にはいくつかの大きな問題が生まれています。まずひとつは、地球全体の過疎過密の度合いが高まっていることです」

 70億の人類は、決して地球上に均等にあるわけではない。あるところは過疎になり、あるところは過密になってしまう。たとえばインド、バングラデシュ、パキスタンなどは、人口が今も激増。その一方で、日本をはじめヨーロッパや、韓国、シンガポール、台湾などアジアの国々は、人口が急激に減り始めている。その結果、地球全体の、過疎と過密のギャップが一気に広がってきた。

 「とくに途上国では、農村が過疎化し、都市が過密化する。そんな流入、流出が止まらない。前世紀、都市に住む人の人口はわずか5%だったものが、今や50%を超えている。つまり35億人が都市に住んでいることになる」

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