360゜ エネルギー・ダイエット

 ナショナル ジオグラフィック協会が世界の9家族に呼びかけてスタートした「360°エネルギー・ダイエット」。各家族が12週間にわたってカーボンフットプリントをどれだけ減らせるかに挑戦、ブログでその奮闘ぶりを報告します。達成度はポイントで表示、ときには5人の専門家が“ダイエット”のアドバイスもしてくれます。
 日本からは省エネ先進国の威信をかけて伊藤家が参戦! 米国やカナダのほか、インドやアラブ首長国連邦、スウェーデンの家族も参加します。エネルギー使用に対するそれぞれの“お国柄”も見えてくるかもしれません。

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日本の環境にふさわしいエネルギーの生成を(最終回)

2011年3月14日 Points: 275

東日本巨大地震およびそれに続く津波や原子力発電所での事故で、被災され、被害を受けられた方に謹んでお見舞い申し上げます。

震災から1週間、当社も様々なアクシデントに見舞われた。4月号向けの編集作業、用紙の確保や印刷体制など、多くの方が関わる仕事の流れが、なかなか整わない。当日も印刷会社の技術社員の方と当社で打ち合わせ中に、地震が発生し、深夜まで待機していただいた。

ナショナル ジオグラフィック協会本部からも朝まで問い合わせや、現況確認、様々な写真撮影依頼などもあり、翌日まであわただしい態勢だった。

現在でも、地震に続いた津波や原発事故で、悲劇は終わっていない。輪番停電で社会は、さらに被害が拡大している。

これまで続けてきたエネルギー・ダイエットのブログも、今回が最終回だ。始めた当初は、生活の余分な脂肪を反省する良い機会と思い取り組んだ。いくつかのトライアルで、大いに成果もあった。家庭の電気使用量が良い例だ。前々回、示したとおり、ちょっとした工夫でも、実際に、2月の月間使用量は、1月に比べ21%減った。ちょっと注意するだけで出た結果だ。外出前早めに暖房を止めるなどの積み重ねだった。

こんなことを考えているうちこの大震災が起こった。ダイエットでは済まされぬ、大手術を必要とする事態となった。多くの指摘のとおり、今回の悲劇は、日本人の暮らし方を変える大きな時代の変わり目を示しているように思う。停電ですっかり暗くなった町は、私の子供の時代のころの街が、再び現れたようだ。灯油ヒーターと炬燵だけだった居間で、暖かく着込んで過ごしていた。この間に、生活の常識が変わっていた。日本の国がまかなえるエネルギー消費には限界があるのに。

日本の環境にふさわしいエネルギーの使い方とはどういうものか。負荷の少ないエネルギー生成はどのような構成になるのか。この50年間日本がすすめてきた、エネルギーの収支バランスが問われている。

日常の生活で、ちょっとした気遣いで減らすことのできるエネルギー消費も多い。このダイエットをやりながら、そこまでしなくてもと思い、実行しなかったことが、今回は一度に実行せざるを得ないことになった。むしろ、被災地の状況を知って、より貢献する方法はないかと模索する日々だ。

今は、現実に起こっている事態に対処するだけで必死だ。復興への貢献もしたい。しかし、時が過ぎても、忘れないで、考えたいのは、エネルギー消費と日本の国土に合ったエネルギー生成バランスだ。きっと世界でもまれな、バランスの効いたエネルギーバランス社会に再生できるのではないか。

伊藤達生 ナショナル ジオグラフィック日本版発行人


360゜ エネルギー・ダイエットについて

どんな努力がダイエットにつながるのか。購買/食生活/交通/ごみまで、私たちのエネルギー消費を見直すヒントに。

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