ムービー

トップ > ムービー > 聖書の謎を追え > 第4話 「失われたアーク」を求めて

“契約の箱”アークがもつスーパーパワー


 「契約の箱」とも呼ばれるアーク(聖櫃:せいひつ)は、モーセが神から授かった十戒を刻んだ石板を納めた箱です。イスラエルの民をエジプトから救い出したモーセは、カナンの地に向かう途中、シナイ山で神から十戒を授かります。具体的には、次の10の掟(おきて)です。

 一、 神の他に、なにものをも神としてはならない。
  二、 偶像を作ってはならない。
  三、 神の名をみだりに唱えてはならない。
  四、 安息日を守ること。
  五、 父母を敬うこと。
  六、 殺してはならない。
  七、 姦淫してはならない。
  八、 盗んではならない。
  九、 隣人について偽証してはならない。
  一〇、隣人の家をむさぼってはならない。
 
  神は十戒を2枚の石板に刻み、モーセに授けました。そして石板を納める箱を作るように指示しました。これがアークです。神の指示は具体的でした。アカシア材を使い、箱の内側も外側も純金で覆い、周囲に金の飾り縁を付けること。箱の四隅の脚に金環を付け、そこに棒を通して箱を担げるようにすること。棒もアカシア材で作り、金で覆うこと。箱の大きさは、縦2.5アンマ、横と高さがそれぞれ1.5アンマとされていました。一アンマは約45センチと考えられているので、換算すると、縦120センチ、横と高さがそれぞれ60センチほどになります。箱の上部には、純金で作った天使2体を向かい合わせに取り付けました。

 こうして作ったアークは、モーセがイスラエルの民を率いてカナンを目指していた時代には、祭司たちが担いで移動させました。どこかに留まる場合は、幕屋と呼ばれる移動式の神殿に安置しました。アークは超自然的な力をもつと考えられていました。神がイスラエルの民にメッセージを送る際はアークの上に雲が現れます。つまり、神とイスラエルの民を結ぶ通信機器のようなものだったのです。

 モーセの後継者ヨシュアの時代以降は、アークは敵と戦う際の強力な武器にもなりました。エリコの街を壊滅させるのに役立ったり、重さが数百キロあるにもかかわらず、宙に浮いて敵めがけて飛んだりしたといいます。その後、アークはイスラエルの民と敵対していたペリシテ人に奪われましたが、伝染病などの災厄がペリシテ人を襲ったため、イスラエルの民のもとに送り返されたといいます。

エルサレム崩壊後、行方不明に  

 時代が下って、イスラエル王国第三代のソロモン王は、エルサレムに神殿を作り、そこにアークを安置しました。しかしその後、聖書でアークについての記述がほとんど見られなくなります。さらに、イスラエル王国滅亡後に分裂した南のユダ王国が、紀元前587年、新バビロニアのネブカドネツァル王(ネブカドネザル二世)に滅ぼされた際に、エルサレム神殿も破壊され、アークの行方はわからなくなってしまいました。そのため、「失われたアーク」とも呼ばれるのです。

 現在でも、アークの行方はわかりません。すでに破壊されてしまっているのかも知れません。もしどこかに存在しているなら、どこにあるのでしょう。ネブカドネザル二世がバビロンに持ち去ったのか、中世の十字軍時代に活躍したテンプル騎士団がヨーロッパに持ち去ったのか。エチオピアにあるという説もあります。紀元前5世紀~紀元10世紀に現在のエチオピアにあったアクスム王国では、初代のメネリク一世は、シェバ(シバ)の女王がエルサレムでソロモン王に会い、身ごもった息子だとしています。そのため、エチオピアの人々は、自国にアークが安置されていると信じているのです。

ナショナル ジオグラフィックDVD-BOX

「聖書の謎を追え」

史上最大のベストセラー“聖書”
そこに秘められた謎を解き明かす。

人類にとって最も重要な物語の一つである聖書。史上最大のベストセラーを、あらゆる角度から科学的に解明していきます。聖書を研究するのは今や、聖書考古学者や宗教学者、狂信的な信者たちだけではありません。地質学者や天文学者、昆虫学者、気象学者、生物学者、物理学者、地震学者、火山学者たちといった科学者も聖書をテーマに研究をし、そこに秘められた謎を解こうとしています。その謎とは、聖書の物語が果たして史実に基づいているか、というものです。

・世界最高の頭脳と科学がもたらす
  知的サスペンス!
・実写とCGを駆使した
  スリリングな展開!

・人類の歩みをひも解く歴史ミステリー!

ご購入はこちら

ナショナル ジオグラフィック バックナンバー