NATIONAL GEOGRAPHIC






第9号
[5月26日]
ジェームズ・L・
スタンフィールド

第8号
[5月19日]
サム・エイベル
第7号
[5月12日]
クリス・ジョンズ
第6号
[4月28日]
マイケル・ヤマシタ
第5号
[4月21日]
マイケル・ニコルズ
第4号
[4月14日]
デビッド・デュビレ
第3号
[4月7日]
ウィリアム・アルバート・アラード
第2号
[3月31日]
デビッド・アラン・ハーベイ
第1号
[3月24日]
ジョディ・コッブ
創刊前号
[3月17日]
ジョエル・サートレイ







| 1 | 2 | 3 | Next >



 
  サム・エイベル(左)は、高度な機材を必要とする撮影にはまるで関心がない。ストロボ装置も持ち歩かないし、被写体の影の部分に光をまわすレフ板すら使わない。「自分の主義に反するから」と、エイベルはその理由を説明する。

  シャッターを切る瞬間に目で見たものを忠実に再現し、「余分なものは一切加えない」のが自分の写真だとエイベルは強調する。ドキュメンタリー写真家ではないが、ありのままを撮りたいと考えているのだ。

  どんな撮影にも必ず機材が必要なことはエイベルもわかっているし、最新機材をそろえる写真家を批判しているわけでもない。ただ、エイベル自身は効率と経済性を重視し、持ち歩く荷物には28mmと90mmのレンズ各1本と2台のカメラ、フィルム1種類しか入れていない。「ごく限られたタイプの写真にしか興味がないし、それを撮るには凝った機材は必要ないんだ」

  詩人の資質をもち、「静かな写真」を好む芸術家肌のサム・エイベルだが、プロ写真家としての道のりは必ずしも平坦ではなかった。1970年代に入って「ナショナル ジオグラフィック」誌の仕事をいくつか手がけたエイベルは、カナダのニューファンドランド州の特集(1974年1月号)では、もう少しでお払い箱になるところだったという。この特集のために撮った写真の大半が編集者たちに不評で、これが以後の仕事にも尾を引いたのだ。「写真がおとなしすぎたんだ。それが自分の個性とはいえ、このままでいいのかと相当考えさせられた」。それでも、エイベルはスタイルを変えようとはしなかった。「静かな写真のままでも、それが見る人の心を動かせばいいと心に決めた」




もはやほとんど見られなくなった暮らしのありかたを、1枚の写真が鮮やかに伝える。サム・エイベルが初期に撮ったこの作品は、記事を構成する写真に対する彼の取り組みの好例だ。「昔ながらの暮らしぶりの中に、北大西洋らしさを強く感じたんだ。色、構成要素、動きなど、どこをとっても派手さはない。地味な写真だが、ここには静寂と揺るぎなさがある」とエイベルは話す。


| 1 | 2 | 3 | Next >




本サイトに掲載の記事・写真の無断転載を禁じます。
すべての内容は日本の著作権法並びに国際条約により保護されています。
(c)National Geographic Society. All rights reserved.
(c)Nikkei National Geographic Inc. All rights reserved.

著作権/リンク許可   プライバシー・ポリシー