NATIONAL GEOGRAPHIC






第9号
[5月26日]
ジェームズ・L・
スタンフィールド

第8号
[5月19日]
サム・エイベル
第7号
[5月12日]
クリス・ジョンズ
第6号
[4月28日]
マイケル・ヤマシタ
第5号
[4月21日]
マイケル・ニコルズ
第4号
[4月14日]
デビッド・デュビレ
第3号
[4月7日]
ウィリアム・アルバート・アラード
第2号
[3月31日]
デビッド・アラン・ハーベイ
第1号
[3月24日]
ジョディ・コッブ
創刊前号
[3月17日]
ジョエル・サートレイ







| 1 | 2 | 3 | Next >



 
 水中撮影の名手、デビッド・デュビレ(左)もサメにはかなわない。「ホオジロザメが私の緊張を察知し、後を追ってきた。カメラで押し戻そうとしたが、猛然と迫ってくる。そのとき、自分がフィンを着けていないことに気づいた。サメよけのケージに逃げ込めなければ一巻の終わりだ。じりじりと退却する間は、まるで悪夢のように長く感じられたよ」。すんでのところで中に飛び込んだデュビレが扉を閉めた瞬間、サメがケージめがけて突っ込んできた。

 水中撮影では、サメのような危険にも遭遇するが、デュビレが実際に最も苦心するのは、水中に撮影機材を持ち込むための段取りだ。「大量の機材が必要になるため、撮影には大変な時間と手間がかかる。山ほどある機材を毎日ホテルからボートまで運び、夜には持って帰らなければならないからね」とデュビレは説明する。撮影から戻れば、機材のメンテナンスと点検に最低でも2時間はかかる。水もれや空気もれに絶えず悩まされ、機材やストロボの故障は日常茶飯事だ。

 取材の内容によっては、カメラを10台も持っていく。超広角から望遠マクロまで各種のレンズをそろえ、ネクサスやアクアティカの水中ハウジングを使う。「水中ではレンズもフィルムも交換できないし、何を撮るにもストロボがいる。そんなわけで、最低6台のカメラと12台のストロボ、それにアシスタントが必要なんだ」

 ニューヨークで少年時代を過ごしたデュビレにとって、ニュージャージー州の海に出かけてシュノーケリングをするのが何よりの楽しみだった。「水に頭を突っ込めば、文明も人ごみも雑音もすべて消えうせた。両親のことも学校の問題も、持病のぜんそくのつらさも、海が忘れさせてくれた」とデュビレは振り返る。11歳で海洋ドキュメンタリー映画『沈黙の世界』に心を奪われ、後に監督のジャック・クストーに会ったときには思わず「水中写真を撮りたいんです」と心中を告白した。クストーは少年を見下ろし、肩をすくめてこう言った。「だったら、撮ればいいじゃないか」




いい水中写真を撮るには、被写体に近づくことだ。デビッド・デュビレが上の写真のようにケージの中から撮影するのは、鋭い歯をしたサメのような、よほどの危険を伴う場合に限られる。海の危険よりも大きな悩みの種は、水中撮影に欠かせない大量の機材の扱いだ。深く潜ればそれだけ水圧が高くなり、防水部分の水もれや機材の故障といったトラブルが起こりやすくなる。


| 1 | 2 | 3 | Next >




本サイトに掲載の記事・写真の無断転載を禁じます。
すべての内容は日本の著作権法並びに国際条約により保護されています。
(c)National Geographic Society. All rights reserved.
(c)Nikkei National Geographic Inc. All rights reserved.

著作権/リンク許可   プライバシー・ポリシー