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宇宙飛行士って面白い!

「宇宙船 冬の砂漠に……」。国際宇宙ステーション(ISS)から本誌に「野口聡一の宇宙で一句」を寄稿してくださっている野口聡一宇宙飛行士。野口さんたちは、ISSでどんな暮らしをしているのでしょう? 宇宙に飛び立つまでに、どんな苦労を重ねてきたのか。一口に宇宙飛行士と言っても十人十色。ラーメンの作り方も、それぞれ違います。「宇宙飛行士って、大変だけど、面白い!」。彼らの魅惑の日常を、宇宙飛行士を取材して20年以上になるライターの林公代さんに語ってもらいます。月2回連載。
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【第14回】
母は強し
2010年7月16日

 宇宙で女性の活躍がめざましい。2010年4月7日に山崎直子宇宙飛行士たちがスペースシャトルで国際宇宙ステーション(ISS)にドッキングしたとき、4人の美女の笑顔が花咲いた。

2010年4月14日、ISSの展望室に集合した4人の女性飛行士たち。右上が山崎直子宇宙飛行士。(写真=NASA)

 ISSに滞在中の6人のうち1人、シャトルクルー7人のうち3人、合計13人中4人が女性。宇宙に4人もの女性が勢揃いしたのは、約半世紀の有人宇宙開発の歴史上、初めてのことだ。

 現在、NASAの約100人の宇宙飛行士のうち、2割は女性だ。だが、「女性が宇宙で活躍することについてどう思いますか?」という質問には、彼女たちはほぼ一様にこう答える。

 「女性・男性の違いは、職業や国、民族の違いと同様に個性の一つで、女性も平等に仕事ができますよ」と。日本人初の女性宇宙飛行士、向井千秋さんも「同じ質問を男性の宇宙飛行士にしますか?」とこの種の質問には手厳しい。

 確かに男女の違いより、個人差の違いが大きいだろう。

 私が密かに「NASAの向井千秋さん」と注目しているのは、NASA宇宙飛行士室長のペギー・ウィットソン飛行士。生化学博士で、2度のISS長期滞在で377日のNASA最長宇宙滞在日数を記録した。特に2度目の第16次長期滞在のときにはコマンダー(船長)を務め、ヨーロッパ実験棟や日本実験棟「きぼう」船内保管室の建設という、プレッシャーのかかる重要な作業を、さくさくと予定より前倒しで進めた。「もっと仕事ちょうだい!」と管制室に作業の指示を催促するほどの手際よさだった。

 山崎直子飛行士いわく「ペギーは一つ一つの節目にも感傷的になりすぎず、あくまで仕事に徹するプロフェッショナルです」。若田光一飛行士も「彼女はスゴイ」と絶賛する宇宙飛行士の“アネゴ”であり、仕事師。とにかくカッコイイのだ。

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林 公代(はやし きみよ)
福井県生まれ。
日本宇宙少年団の情報誌編集長を経て、フリーライターに。著書に『宇宙の歩き方』、『宇宙においでよ!』(野口聡一氏と共著)など。

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