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宇宙飛行士って面白い!

 打ち上げ予定時刻は、現地時間で4月5日午前6時21分。次のイベントは、発射約4時間前に飛行士たちが気密服に着替えて発射台に向かう「クルーウォークアウト(Crew Walk Out)」だ。

 アポロ時代から使われている古びたビル(Operations & Checkout Bldg)の出口の狭い場所にプレスがひしめきあう。待つこと約1時間。宇宙飛行士担当の医師が出てきたと思ったら出口にライトが照らされ、船長を先頭に7人のクルーが満面の笑みでご登場!

発射台に向かうバスに乗り込む山崎直子飛行士。宇宙飛行士候補者に選ばれて11年。ついに迎えたこの日の表情は、すっきりと晴れやかだ。(写真=林 公代)

 山崎飛行士は日本人の定位置である後ろから2列目。大歓声に迎えられ、小さくジャンプしながら呼びかけに応えて手を振る彼女は、今までになく高揚し、喜びを隠しきれないようだ。

 約1カ月前に行われた打ち上げのリハーサル(TCDT)のクルーウォークアウトでは「表情がやや硬かった」と在米日本人記者の中島かの子さんは心配していたが、今日の彼女は、何もかも吹っ切れて「宇宙を楽しむぞ」という気持ちが全身から漂っている。

 この表情を見たかったのだ。打ち上げ前の宇宙飛行士は皆、吹っ切れたすがすがしさに満ちている。いつ飛べるのか先が見えない訓練の日々を乗り越え、宇宙への切符を手にした後も、打ち上げ延期は当たり前。その度に打ち上げまで心身共にベストの状態に持っていくよう、生活すべての照準を合わせなければならない。ようやく迎えるその日は、人生の晴れ舞台だ。

 だが舞い上がってはいない。「これまで訓練でやってきたことをやるだけという平常心。緊張感もなく、とても元気です」と担当医の松本暁子医師も、打ち上げ前に太鼓判を押していた。

林 公代(はやし きみよ)
福井県生まれ。
日本宇宙少年団の情報誌編集長を経て、フリーライターに。著書に『宇宙の歩き方』、『宇宙においでよ!』(野口聡一氏と共著)など。

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