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宇宙飛行士って面白い!

「宇宙船 冬の砂漠に……」。国際宇宙ステーション(ISS)から本誌に「野口聡一の宇宙で一句」を寄稿してくださっている野口聡一宇宙飛行士。野口さんたちは、ISSでどんな暮らしをしているのでしょう? 宇宙に飛び立つまでに、どんな苦労を重ねてきたのか。一口に宇宙飛行士と言っても十人十色。ラーメンの作り方も、それぞれ違います。「宇宙飛行士って、大変だけど、面白い!」。彼らの魅惑の日常を、宇宙飛行士を取材して20年以上になるライターの林公代さんに語ってもらいます。月2回連載。
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【第8回】
山崎さんの打ち上げに行ってきました
2010年4月16日

 やっぱり来てしまった。日本人最後となるスペースシャトル打ち上げ。今までロケット打ち上げは米国で2回、ロシアで1回、種子島で2回見ている。だから今回は着陸を初取材するつもりだった。しかし打ち上げの光と轟音と地響きを一度体験してしまった者は、その魅力に抗うことはできない。もはや病気と言っていい。

回転式整備棟がゆっくりと開いて姿を現したスペースシャトル。手前の砂利道には、スペースシャトルを組み立て工場から発射台まで運んだ運搬機のタイヤの跡が残る。(写真=林 公代)

 だが今回は見逃せない理由がある。シャトル打ち上げも残すところ4回。引退前のシャトルの姿をおさえておきたいし、11年間の訓練を経て「晴れ舞台」を迎える山崎直子飛行士の表情を見たい。生真面目で控えめで常に周囲への気配りを忘れない、優等生の彼女が「はじける」姿を見届けたい。そんな言い訳をいくつも用意して、2010年4月3日、米国フロリダ州にあるNASAケネディ宇宙センター(KSC)に到着した。

 取材バッジをゲットして翌4日午前8時30分、KSC内のプレスサイトに集合。バスで39B発射台に向かう。明け方の霧も午前8時過ぎには消え、天気は快晴。打ち上げ確率は80%。世界から集まった「打ち上げ病」(?!)の記者たちは顔なじみのようで「今回は問題ないね」と笑顔がこぼれる。発射台では、スペースシャトルの回転式整備棟が30分かけて開かれ、姿を現したディスカバリー号と約500メートルの距離からご対面。

 間近で見る機体には、けっこう補修の跡が残る。1984年の初飛行以来、37回も地球と宇宙を往復し、大気圏の高熱をくぐり抜けてきた機体だと実感する。「頑張って宇宙に行っている」という雰囲気。整備棟には、忙しく働く人たちが小さく見える。

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林 公代(はやし きみよ)
福井県生まれ。
日本宇宙少年団の情報誌編集長を経て、フリーライターに。著書に『宇宙の歩き方』、『宇宙においでよ!』(野口聡一氏と共著)など。

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