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宇宙飛行士って面白い!

「宇宙船 冬の砂漠に……」。国際宇宙ステーション(ISS)から本誌に「野口聡一の宇宙で一句」を寄稿してくださっている野口聡一宇宙飛行士。野口さんたちは、ISSでどんな暮らしをしているのでしょう? 宇宙に飛び立つまでに、どんな苦労を重ねてきたのか。一口に宇宙飛行士と言っても十人十色。ラーメンの作り方も、それぞれ違います。「宇宙飛行士って、大変だけど、面白い!」。彼らの魅惑の日常を、宇宙飛行士を取材して20年以上になるライターの林公代さんに語ってもらいます。月2回連載。
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【第7回】
コップ一杯30万円の水
2010年3月31日

 「世界一お風呂好き」の日本人にとって、宇宙生活にあったらいいなと思うのはお風呂に違いない。だが本誌4月号「宇宙で一句」で野口聡一飛行士が詠んでいるように、宇宙で水はとても貴重。地上からの運搬費を換算すると、コップ一杯の水が30~40万円にもなる。

 だから宇宙でお風呂に入るのは究極の贅沢であり夢なのだ(そもそも無重力では湯船にお湯を満たすことも不可能だが)。そこで国際宇宙ステーション(ISS)では、体格のよい宇宙飛行士も「スポンジバス」と称して、わずか○○ccの水(数字は本誌でご確認を!)で毎日体を拭いて我慢している。短期間の滞在ならまだしも、数カ月の長期滞在となるとキツイだろうなぁ。

 お風呂は無理だが、過去に宇宙でシャワーが使われていたことはある。たとえば1970年代のNASAの宇宙ステーション「スカイラブ」や、1986年に打ち上げられた旧ソ連の宇宙ステーション「ミール」。

1970年代のNASA宇宙ステーション「スカイラブ」でシャワーを浴びる宇宙飛行士。(提供:NASA)

 しかし宇宙飛行士達の評判は、あまりよくなかった。どちらも布で覆った簡易型シャワー。準備や後片づけが大変なうえ、無重力で浮かんだ水滴が鼻の穴に入ってきたりもする(そのためゴーグルと鼻栓をしてシャワーをあびた飛行士も)。ミールでは、シャワーを使うと湿気でカビが発生したりして「快適さ」より「大変さ」が勝っていた。ミールに3度長期滞在し、通算748日の宇宙滞在記録を持つロシアのセルゲイ・アヴデエフ宇宙飛行士は、2007年に日本で講演したとき「次第に宇宙シャワーは使わなくなった」と語っている。

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林 公代(はやし きみよ)
福井県生まれ。
日本宇宙少年団の情報誌編集長を経て、フリーライターに。著書に『宇宙の歩き方』、『宇宙においでよ!』(野口聡一氏と共著)など。

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