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アルプスを貫く

MAY 2011

文=ロフ・スミス

州を東西に横切るアルプス山脈。その地下では、世界最長で最深の鉄道トンネル、ゴッタルド基底トンネルの建設が進んでいる。大掘削工事の全容に迫った。

 ヨーロッパを東西に横切るアルプス山脈。その頂から2000メートルほど下で、トンネル工事が進められている。全長57キロに及ぶ高速鉄道用のゴッタルド基底トンネルだ。昨年10月、計画されている2本の単線トンネルのうち、1本が貫通し、英仏海峡トンネルと青函トンネルを抜き、長さで世界一となった。2017年に開業すると、スイス・チューリヒとイタリア・ミラノの間を、最高時速250キロの高速鉄道が2時間半で結ぶことになる。

 8500億円を超える総工費をかけて、これほど長いトンネルが造られる背景には、欧州の物流需要の高まりがある。現在、年間100万台余りのトラックが列をなしてアルプスのつづら折りの道路を越えていく。こうした大量の貨物を鉄道で輸送するのが狙いだ。トンネルはヨーロッパを南北に結ぶ大動脈として期待されている。

 あのアルプス山脈の真下を最高時速250キロの列車に乗って駆け抜けてみたい! 鉄道マニアではないですが、世界最長のゴッタルド基底トンネルの記事に携わって、そんな思いを抱きました。2017年の開業が待ち遠しいです。アニメ「アルプスの少女ハイジ」を見て育った私にとって、年間100万台ものトラックが列をなしてアルプスを越えているという現実は、少しショックでした。トラックによる貨物輸送を減らす目的で、全長57キロのトンネルが掘られているんです。この特集には、かわいらしいハイジは登場しませんが、いかついハイジは登場します。トンネルを掘り進める掘削機「ハイジ号」です。男ばかりの工事現場で活躍する4台の掘削機すべてに、女性の名前が付いているそうです。(編集S.O)

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