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羽はどうやって
できたのか?

FEBRUARY 2011


最初の用途が何だったにせよ、おそらく羽が生まれてから何百万年も後に、恐竜の仲間のうち、ただ一つの系統が羽を利用して空を飛ぶようになったのだろう。その移行のプロセスを知る大きな手掛かりが、最近発見された。1億5000万年以上前の恐竜アンキオルニスだ。

 体の大きさはニワトリくらい。前肢に黒と白の縞模様の羽がはえ、頭の上には派手な赤褐色のとさかがあった。アンキオルニスの羽は、飛行用の羽とほぼ同じ構造をしている。ただし、飛行用の羽が非対称なのに対し、アンキオルニスの羽は左右対称だったので、飛行には向かなかっただろう。

 羽の弱さを数で補うかのように、アンキオルニスの体はあり余るほど多くの羽で覆われていた。前肢にも後肢にも、さらには足の指にまで羽がはえていた。アンキオルニスの羽は、クジャクのように雌を引きつけるのに役立ったかもしれないが、同時に重荷にもなったことだろう。

 アンキオルニスは羽の重さをどう解決したのか、中国科学院・古脊椎動物古人類学研究所のコーウェン・サリバンらが立てた仮説がある。

 獣脚類は、手首の骨の一つが半円形の滑車のような関節をもっていて、手首を曲げることができる。アンキオルニスはこの骨が極端なくさび形で、歩くときには、羽を地面に引きずらないように、前肢を体のほうに折りたたむことができた。現在の鳥は、このような形の骨を飛行のために利用している。羽ばたきで翼を体のほうに引き寄せるのだ。

 サリバンらの説が正しいなら、飛行に役立つ重要な特徴は、鳥たちが実際に飛び立つよりもはるか前から獲得されていたということになる。つまり、進化生物学で「前適応」と呼ばれる現象―元とは別の機能に転用されたらしいのだ。

羽毛恐竜が、どうやって空を飛ぶようになったのか。学者たちは今も活発な議論を続けている。地上を走りながら、羽ばたきをしているうちに、揚力を得て飛ぶようになったという説がある。一方で、後肢にある翼のような羽が足手まといになって走れなかったという意見もある。滑走説に批判的な学者たちは、木から木へと滑空するうちに飛び立ったという従来の説を再び持ち出している。

 飛行のメカニズムを研究するケン・ダイアルは、次のように考える。鳥のヒナは、捕食動物に追われて木の幹や崖(がけ)を駆け上がるとき、スピードを増すために小さな翼を羽ばたかせる。低い地面に飛び下りるときにも、体を安定させるために翼をばたばた動かす。ヒナは成長するにつれて、体を安定させるためだった羽ばたきから、力強く飛び立つための羽ばたきを習得していく。ダイアルに言わせれば、幼い鳥が徐々に飛べるようになるプロセスこそ、飛翔の進化の再現にほかならないのだ。

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