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ブラジル 水と風の砂丘

JULY 2010

文=ロナウド・リベイロ 写真=ジョージ・スタインメッツ

ラジル北東部沿岸に広がる砂の大地、レンソイス・マラニェンセス国立公園。風と水によって絶え間なく変化するはかなき風景を、空からとらえた。

 波打つ砂が白くまばゆい光を放ち、どこまでも広がっている。上空から眺めると、細長い砂丘がいくつも連なる風景は、洗い立ての白いシーツが風にたなびいているかのように見える。ブラジル北東部マラニャン州の大西洋岸、赤道にほど近いこの一帯が、「マラニャン州のシーツ」という意味の「レンソイス・マラニェンセス」と呼ばれているのも、うなずける景色だ。

 たとえどんな地名であっても、この大砂丘の不思議な魅力が変わることはない。波打つ砂の谷間では、雨水をたたえた池が青や緑に輝き、魚の群れが銀色にきらめく。牧畜民は何十頭ものヤギを率いて砂丘を越え、漁民は星と難破船の残骸だけを頼りに海に出る……。

 「まるで別世界のようでしょう?」。そう言うのは、レンソイス・マラニェンセス国立公園の責任者だったカロリーナ・アルビーテだ。沖縄本島と西表島がすっぽり収まる、面積1550平方キロの広さを誇るこの一帯は、稀有(けう)な生態系を守るため、30年前に国立公園となった。

 広大な砂丘のそばに海が広がる景色は、まるでサハラ砂漠の真ん中に、大西洋が蜃気楼(しんきろう)となって現れたかのようにも見える。だが、マラニャン連邦大学の地理学者アントニオ・コルデイロ・フェイトーザによれば、レンソイスは厳密には砂漠ではないという。定義上、年間降水量が250ミリ未満の地域を砂漠と呼ぶが、レンソイスには年間約1200ミリの降雨があるのだ。

 その雨のおかげで、独特な砂の景観が生まれる。付近を流れる二つの河川、パルナイバ川とプレギサス川が内陸の砂を大西洋岸へと運び、その砂が海流に乗って西に押し流され、長さ70キロの海岸線に堆積(たいせき)する。

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