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特集

シリーズ
地球と、生きる
温暖化で変わる
グリーンランド
PART2
トゥルー カラーズ

JUNE 2010

文=マーク・ジェンキンス 写真=ジェームズ・バローグ

っ白な氷が解け、隠れていた様々な色が世界最大の島を彩るようになっている。変化する色は何を教えてくれているのか。

 グリーンランドを上空から見た第一印象は、目もくらむほどの白い世界だ。だが、高度を下げていくと、突如として、色が目に飛び込んでくる。

 解け出た水が氷床の周囲を青い帯となって縁取り、白い大地には川が流れ、クレバスが口を開け、湖が点在する。白でも青でもなく、むしろ茶色か黒に近い氷も見える。「クリオコナイト」と呼ばれる物質が氷をくすませているのだ。泥のように見えるこの物質こそ、同行した4人の研究テーマといえる。その顔触れは、写真家のジェームズ・バローグと彼の助手のアダム・ルウィンター、そしてニューヨーク市立大学シティカレッジの地球物理学者マルコ・テデスコと同大学院生のニック・スタイナーだ。

 バローグは、氷とその消失を撮影している。2006年に「エクストリーム・アイス・サーベイ(EIS)」を設立したのは、彼いわく、「消えゆくものを記録するため」だ。EISは暴風雪にも耐える、太陽電池式の低速度撮影カメラを米国アラスカ州やモンタナ州、アイスランドやグリーンランドの氷河に35台以上も設置し、連日、撮影を続けている。バローグの言葉を借りれば、カメラは「人間に代わって世界を見守る小さな目」で、絶え間なく記録してくれているのだ。

 私たちは島西岸のイルリサット村から70キロ内陸にキャンプを設営した。そこでは、氷床の最上層が解け出し、風に浸食されてブルー・アイスが露出している。ブルー・アイスとは、長年にわたる圧縮によって、内部の気泡がほとんどなくなった古代の氷で、赤系統の光を吸収し、青系統だけを反射するため、青く見える。

 キャンプの横には、氷床から解け出た水をたたえる広い湖があった。テデスコとスタイナーはその深さを測ろうと、毎朝、小型の無人ボートを湖面に下ろし、データ集めに励んだ。リモコン制御のボートには、ソナーや分光計、GPS、温度計、それに水中カメラが備わっていた。

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