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秘境フォジャ山脈

JUNE 2010


進入者を拒む秘境の森

 世界で2番目に大きな島であるニューギニア島は、長い間、冒険心と経験に富んだ研究者ですら、探査には二の足を踏む秘境だった。19世紀半ば、博物学者にして探検家のアルフレッド・ラッセル・ウォレスは、岩山と密林に覆われたこの島の地形について「未知の内陸への進入を阻む、越すに越せない難所」と述べた。

 ほかの山脈の探査が徐々に進むなか、フォジャ山脈の険しい地形は探検家の進入を拒み、20世紀に入ってもほぼ未踏のままだった。だが、1979~81年、米国の生物学者ジャレド・ダイアモンドがついにこの一帯を踏査する。

 2004年には、鳥類学者のブルース・ビーラーがフォジャ山脈の上空を飛行機で越え、森のなかに小さな空き地を見つけた。そこは毎年洪水が発生するために低木や草しか生えない湿地で、ヘリコプターが着陸可能だった。

 2005年末、ビーラーは調査隊を率いて、史上初めて、フォジャ山脈の大掛かりな科学調査を行った。25日間に及んだ調査では、米国の環境保護団体コンサベーション・インターナショナルによる「短期評価プログラム(RAP)」が実施された。これは、生物学的な情報を収集し、生物多様性の観点から見て重要な地域を保護しようという独自の調査プログラムだ。この時、キホオミツスイの仲間や12種のカエル、哺乳類、植物など、多くの新種が見つかった。同行していたマストリヒトも20種以上のチョウやガを採集し、現在、新種かどうか調べている。

 2008年11月、マストリヒトは再び短期評価プログラムの調査隊に加わってフォジャ山脈を訪れていた。ほかのメンバーが衣服を譲ってくれたおかげで、彼は3週間ずっと同じ服で過ごさずに済んだ。

 森には突然豪雨が襲来する。研究者たちは皆、びしょぬれになってしまうのだが、一方で雨は森に恩恵をもたらす。森の豊かな生命をはぐくみ、コケやシダ、着生植物(ほかの木の幹や枝に生える植物)を潤すのだ。

 「湿地キャンプ」と名づけられたこの場所は標高が高いので、マラリアを媒介する蚊や毒ヘビに襲われる心配はない。ただし、頭上から木の枝が落ちてくる危険がある。着生植物に水分を吸い取られた木の枝が、時折、破裂したような音を立てて折れるのだ。

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