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潤いある未来のために APRIL 2010 |
![]() 文=エリザベス・ロイテ 水不足は避けて通れない問題だ。だが節水を心がけて、効率的に利用すれば、必要な量の水を確保することはできる。 米国南西部、ニューメキシコ州北部の乾燥地帯。 シャワーの残り水だってトイレで再利用する。たいていの米国人は1日に約380リットルの水を使うが、ペイプはたったの38リットルだ。 「水を大切にするのは、地球が息絶えつつあると感じるからです。自分までがその原因の一部になりたくありません」とペイプは言う。 彼女のような熱心な環境活動家でなくとも、水が安く豊富に手に入る時代が終わりつつあることはわかる。しかし地球が完全に干上がるまでには、まだだいぶ時間はある。米国カリフォルニア州にある研究所「パシフィック・インスティテュート」のピーター・グリック所長は次のように語る。「水の問題を避けて通ることはできません。重要なのは、理想的な解決策を実現する過程で、どれだけ痛みを避けられるかです」 グリックによると選択肢はハードとソフトの2タイプがあると言う。ハードは、超大型ダムや送水路、長距離パイプラインの開発といった、供給源の開発に的を絞った方策だ。だがグリックが良いと考えるのはソフトな選択肢。つまり節水や水利用の効率化、地域単位のインフラ整備、水中の生態系の保護、経済政策などを含む総合的なアプローチだ。 |