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淡水の絶滅危惧種

APRIL 2010

文=ダグラス・H・チャドウィック 写真=ジョエル・サートレイ

や海にすむ生物の何倍もの速さで絶滅していく淡水の生物たち。米国の南東部で小さな魚たちを守る、二人の男に密着した。

 ちょっと風変わりなノアの方舟――。
米国テネシー州ノックスビルにあるレンガ造りの倉庫は、そんな形容がピッタリだ。この方舟(はこぶね)は水に浮かない。そればかりか、内部で生き物の命を左右する「大洪水」までも起こしている。迷路のように縦横に入り乱れたパイプから、天井まで積み上げられた600もの水槽へ、昼夜を問わず水を流し込みつづけているのだ。

 方舟の「乗客」は、大半が体長数センチしかない、小さな淡水の魚たち。人工的にろ過し、酸素を加えた水が、この魚たちの生命を支えている。一方で、彼らの本来のすみかである米国南東部の川は、ダムでせき止められたり、汚染にさらされている。方舟に乗る魚たちは、それぞれの種の数少ない生き残りなのだ。

 ノアの代わりに方舟の舵(かじ)を取るのは、1980年代半ばに大学院で出会ったJ・R・シュートとパット・レイクスの二人組。どちらも子どものころから小川で水遊びをしたり、水槽で生き物を飼ったりして育った。そんな少年時代の情熱を、二人はちょっと変わった職業につなげた。淡水にすむ動物たちは、今や世界中で追いつめられている。シュートとレイクスは、非営利団体「コンサベーション・フィッシャリーズ(CFI)」で、そうした希少な種の保存に取り組んでいる。

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