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特集

上海再興

MARCH 2010


 「私たちはずっと、外国かぶれだと非難されてきました」と、上海を代表する文化評論家である沈宏非(シェンホンフェイ)は言う。「しかし、外国の考えを取り入れ、自分のものにすることで、上海は中国で最も先進的な都市になったのです」

失墜、そして「世界首都」へ

 上海の繁栄が終わりを迎えたのは、中華人民共和国が成立した1949年。その後40年間、社会主義・中国の指導者たちは「現代のバビロン」と呼ばれた悪徳の都・上海に罰を与え続け、富のほとんどは北京に吸い上げられた。1980年代に中国が改革開放政策を開始してからも、北京の指導部は10年近くの間、上海に発展のチャンスを与えなかった。

 「いつになったら自分たちの出番が来るのだろうと、私たちはずっと考えていました」と、ファッションデザイナーであり、起業家でもある黄夢琦(ホワンモンチー)は言う。

 だが、ついに上海の出番がやって来た。中国全体を上回る急速な経済成長を記録し続けた上海は、かつての栄光を取り戻そうとしている。ただし、今度は自分たちの力で繁栄を勝ち取るつもりだ。今や黄浦江の対岸には、101階建ての上海環球金融中心をはじめ超高層ビルが林立している。上海市全体では、4000棟以上の高層ビルが新たに建設された。

 だが最も印象的なのは、垂直方向ではなく水平方向の変化かもしれない。この10年間に上海市内とその周辺で新たに開通した道路の総延長は、2500キロ近くに達している。

 そして2010年は上海万博が開催される。万博というイベント自体は歴史的な役割を終えつつあるが、上海はこれを機に国際舞台での復権を狙っている。それは一種の賭けだが、市当局はすでに、北京が2008年の五輪のために使った額を上回る450億ドルを万博のために注ぎ込んだと言われている。

 膨大な投資の大半は、インフラ整備に充てられた。空港の2カ所の新ターミナル建設、地下鉄の延長、外灘の再開発などだ。世界的な経済危機のさなか、主催者側の思惑どおり7000万人が訪れるかはわからない。それでも上海には大きな野望がある。21世紀の「世界首都」になることだ。「そのチャンスがある都市を一つ挙げるとすれば、上海しかありません」と、復旦(フータン)大学の陳向明(チェンシアンミン)教授は言う。

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