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チンパンジーの好奇心

FEBRUARY 2010

文=ジョシュア・フォア 写真=イアン・ニコルズ

ンゴ共和国の密林で暮らすチンパンジーは、人間観察が大好きだ。


 熱帯雨林に雄のチンパンジーたちのけたたましい鳴き声が響いた。数年前、霊長類学者のデイブ・モーガンとクリケット・サンズがコンゴ共和国の奥地でキャンプを設営していた時のことだ。鳴き声はますます大きくなっていく。その群れは森の林冠を猛スピードで移動しているようだった。

 チンパンジーたちは自分たちのキャンプを目指しているのだと二人は気づいた。しばらくして森は静かになったが、その数秒後、サンズとモーガンのほぼ頭上の木で穏やかな鳴き声がした。見上げてみると、大人のチンパンジーが当惑した様子でこちらをのぞき込んでいたのだ。

 野生のチンパンジーが人間に遭遇すると、普通は驚いて逃げ出す。それも無理はない。人間はチンパンジーの命を奪うことが多かったのだ。野生のチンパンジーの調査が極めて困難なのは、チンパンジーのこうした“遠慮がちな”態度のせいでもあり、研究を始めるにあたっては、人間を見ても逃げ出さないように、長い時間をかけて、慣れさせる必要がある。

 しかし、この時は予想外のことが起きた。人間に慣れていないはずのチンパンジーが逃げ出すどころか、仲間を呼び集めたのだ。間もなく別のチンパンジーが姿を現し、さらに3頭目、4頭目と増えていく。

 林冠は騒がしい鳴き声に包まれた。研究者であるモーガンとサンズよりも、チンパンジーたちのほうが重大な発見をしたかのように大騒ぎをしている。彼らは夕方いっぱい、キャンプの上に伸びた大枝に座り込んだまま、人間が火を起こし、テントを張り、夕食の準備をするのを興奮した様子で観察した。

 「伐採業者はアフリカ中部の至る所で、同じような光景を見てきたでしょう。そして密猟者はチンパンジーをすべて撃ち殺したのです」と、米国シカゴのリンカーンパーク動物園と野生生物保護協会(WCS)の自然保護研究員を務めるモーガン(40歳)は話す。彼はサンズとともに、過去10年間の大半を、コンゴ共和国北部に位置するグアルゴ三角地帯の研究エリアで過ごしてきた。そこはンドキ川とグアルゴ川の合流地点付近に広がる380平方キロの原生林だ。

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