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特集

ハッブル新生

FEBRUARY 2010

文=クリス・キャロル

復を終えたハッブル宇宙望遠鏡から届いた、鮮やかな宇宙の姿。


時空の深奥へ

 昨年5月、軌道を周回しているハッブル宇宙望遠鏡に、今回でおそらく最後となる修理が施された。作業をしたのは宇宙飛行士たち。船外で活動するジョン・グランスフェルドは今回で3度目の訪問だ。電力系と制御系を補修して寿命を延ばしたほか、二つの撮像装置を修理し、新しいカメラと分光器を設置して、これまで以上に優れた画像を撮影できるようにした。「ハッブルの最盛期はまだこれからです。人々は度肝を抜かれるでしょう」と、米国の宇宙望遠鏡科学研究所(STScI)でハッブルプロジェクトに携わる研究者ケン・センバックは語る。

 ハッブル宇宙望遠鏡は、今年の4月で打ち上げから20年を迎える。代表的なものだと、衝突する銀河や爆発する星、不気味な星雲などを撮ってきた。望遠鏡の感度と解像度が向上したこれからは、さらに華やかな画像を送ってくれるだろう。

 ハッブルは奥深い宇宙も見つめる。性能が向上するやいなや、天空の一角に狙いを定めて計4日間にわたってかすかな赤外線を集めた。画像に写ったのはぼんやりとしたいくつかの点。「大きさはほんの数ピクセル」と、カリフォルニア大学サンタクルーズ校の宇宙物理学者ガース・イリングワースは言う。カメラによるノイズを除いて解析したところ、これらの点は観測史上で最も遠くから届いた光、つまり最も古い天体と判明した。それは131億年前に輝いた、小さな塊状の初期の銀河だった。

 宇宙そのものの年齢は137億年。「新しいカメラのおかげで、宇宙の誕生に向かって、私たちは数百万年ほど近づくことができたわけです」と、イリングワースは語る。与えられた最後の年月、ハッブルは再び宇宙の闇に目をこらし続ける。時間の始まり、宇宙の始まりを追い求めて。

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