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ニッポンの恐竜時代

AUGUST 2009


不毛の地の恐竜ブーム

 恐竜の発掘地として、日本はけっして恵まれてはいない。そもそも恐竜がいた時代の地層が少なく、多くは海で堆積した地層だ。そのうえ、わずかにある陸の地層も、森林に覆われていて発掘に向かない場合が多い。恐竜化石を見つけにくい条件がそろっているのである。

 国内初の恐竜化石が見つかったのは1978年。岩手県岩泉町で、損傷の激しい竜脚類の上腕骨が発見された。いったん見つかると、研究者や化石採集家の岩を見る目も変わってくる。少しずつ恐竜発見のニュースは増えていき、今では北海道から九州まで1道15県で40を超える恐竜化石が見つかるまでになった。種類もティラノサウルス類など獣脚類から、竜脚類、鎧竜、角竜の仲間まで様々だ。

 地球上に恐竜が繁栄したのは、中生代の三畳紀後期から、ジュラ紀を経て白亜紀末までのこと。恐竜だけでなく、空や海にも爬虫類が進出した、いわば爬虫類の時代だった。

 その中生代のうち、日本で見つかっている恐竜化石は圧倒的に白亜紀のものが多い。ほかにはジュラ紀の地層から、足跡化石がわずかに見つかっているくらいだ。

 さらに、8000万年続く白亜紀の間でも、タンバリュウのようなまとまった化石が見つかっているのが白亜紀前期、1億4000万年前から1億年前の地層である。そうした場所では、大規模な発掘調査が繰り返され、恐竜だけでなく植物や哺乳類、爬虫類、昆虫などの化石も数多く見つかっている。

 少なくとも白亜紀前期の日本には、恐竜を頂点とする豊かな生態系が息づいていた。日本海はまだなく、アジア大陸の端っこに位置していた日本。そこにはいったい、どんな風景が広がり、どんな生き物が暮らしていたのだろう。

乾いた景観とタンバリュウ

 「暑さと乾燥で倒れてしまったタンバリュウに、小型の肉食恐竜が群がるような光景があったかもしれません。タンバリュウの骨には、実際にかみつかれた跡が残っていますから」

 白亜紀前期の丹波の光景を、人と自然の博物館の三枝はこんなふうに想像する。

 タンバリュウの体重はおよそ10トン、全長は約15メートルと、およそゾウ2頭分くらいの大きさだったとされる。のしのしと歩くこうした大型動物を襲ったのが、どう猛な肉食恐竜だった。丹波では、今年になって新たに、ティラノサウルス類の歯の化石が見つかった。原始的なタイプのようだ。

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