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広がるグリーンな屋上

MAY 2009

文=バーリン・クリンケンボルグ 写真=ダイアン・クック、レン・ジェンシェル

界の都市で、コンクリートの屋上を緑に変え、ビルを冷やす取り組みが進んでいる。東京、北米、ヨーロッパの緑化事情を紹介。

 ビルというものが、キノコのように地面からにょきにょき生えて育っていくものなら、その屋上は土と植物で覆われていてもいい。

 もちろん実際のビルは、そんなふうにして建つわけではない。地球上のあらゆる都市を埋め尽くすビルの屋上は、まるで人工の砂漠と呼びたくなるような環境だ。自然の砂漠なら生物もすみつくが、都会の屋上は砂漠以上に厳しい死の世界で、過酷な温度変化や強風にさらされ、雨水をためることもない。

 だが、カナダ・バンクーバーのライブラリー・スクエアに建つ公立図書館の屋上は違う。ビルの昇降口を登って9階の高さにある屋上に出てみると、そこには防水加工された不毛の地ではなく、大草原のような光景が広がっている。テニスコート3面ほどの面積1850平方メートルもあるこの屋上庭園が造園されたのは1995年。仮にこの庭園が地上にあったとしても、十分に美しいと感じるだろう。しかし街路からはるかな高所でこの景観に出くわすと、感心するより先に、自分がどこにいるのか一瞬わからなくなってしまう。

古くて新しい「緑の屋根」

 「緑の屋根」あるいは「屋上緑化」という発想自体は、それほど目新しいものではない。19世紀に北米の大草原に建てられた家では一般的だった。今でも北欧では、屋根に芝が生えた丸太小屋や納屋をよく見かける。だが、世界中の建築家や都市設計の担当者が数十年ほど前から屋上緑化に着目し始めているのは、美観より実用性に注目したためだ。「緑の屋根」を導入すれば、従来型の屋上で当たり前の過酷な環境を緩和することができる。

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