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特集

地球のいのち
進化の父を継ぐ者たち

FEBRUARY 2009

文=マット・リドレー 写真=リン・ジョンソン

『種の起源』が出版されて150年。当時ダーウィンが提唱した理論は後世の科学者たちに受け継がれ、大きな“進化”を遂げた。

 死の2週間前にチャールズ・ダーウィンが発表した最後の論文は、水生甲虫の脚に付着した小さな二枚貝に関するものだった。英国イングランド中部地方の池でこれを見つけてダーウィンに送ったのは、ウォルター・クリックという、博物学好きの若い靴職人。ウォルターはやがて結婚し、息子ハリーをもうける。このハリーの息子が、1953年に、米国の若き科学者ジェームズ・ワトソンとともにDNAの二重らせん構造を発見するフランシス・クリックだ。

 どんな生物にも“設計図”がある。その形や性質の情報は、たった4種類の塩基の配列でできたDNAの暗号という、全生物共通の言語で細胞に書きこまれている。クリックとワトソンのこの発見は、進化に関するダーウィンの推理がほぼ全面的に正しいことを裏づける、いわば勝利宣言のようなものだった。

 「かつてこの地球上に存在したことのあるすべての生物は、さかのぼれば一つの原始的な形態にたどりつくであろう」。ダーウィンは著書『種の起源』でこう推測するしかなかったが、現代の“ダーウィン”たちは、進化のストーリーがどんな語り口や構成で展開されてきたかを知るのに、推測する必要はない。遺伝子という暗号書をひもとけばよいのだ。

進化を実証する

 ガラパゴス諸島に、フィンチという小鳥がいる。この鳥はくちばしの形がさまざまなのだが、実は互いにきわめて近縁な関係にあるのではないかとダーウィンは考えた。著書『ビーグル号航海記』には、こう記している。「互いに近縁なこの鳥たちの間に、こうした体の構造の変化や多様さがあるのを見ていると、この群島の鳥類がもともと種類に乏しいことを考慮すれば、ある一つの種が異なった用途に合わせて枝分かれしたのではないかと想像してしまう」

 これもまた、直感による推測にすぎない。けれども現代の科学者たちは、DNAを詳しく分析することで、ガラパゴスのフィンチたちの祖先は1種であることを突き止めた。

 DNAは、進化が実際に起きることを証明しただけでなく、生き物の形が変化していく根底のプロセスも教えてくれる。

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