/2009年2月号

トップ > マガジン > 2009年2月号 > 特集:地球のいのち ダーウィン生誕200年特集  PART 1 ダーウィンの着眼


定期購読

ナショジオクイズ

Q:こちらの写真は地中海の海底。ダイバーたちが見つめる先にあるモノは何でしょう?

  • つぼ
  • 魚雷
  • 巻貝

答えを見る

ナショジオとつながる



特集

地球のいのち
ダーウィンの着眼

FEBRUARY 2009


 ダーウィンがひそかに深めてきた論考をまとめて、『種の起源』を刊行したのは1859年のこと。その後何十年にもわたり、聖職者ばかりか科学者も、この本に書かれた理論に頑強に抵抗した。進化が現実に起きている現象であることは、ダーウィンの生存中に広く受け入れられるようになったものの、自然選択が進化の主要なメカニズムであるという主張は、1940年ごろに進化論と遺伝学が統合されて、ようやく認められたのである。

 こうした説明はさておき、ダーウィン伝説には登場しない、なにより興味深い事実がある。彼が進化論につながる最初の手がかりを見つけたのは、実はガラパゴス諸島ではなく、その3年前に訪れた、アルゼンチン北部の風の強い海岸だったということだ。しかも、その手がかりは生きた動植物ではなく、海岸の崖に埋もれた化石だったのだ。

今の動物とそっくりの化石

 調査開始1年目の1832年9月、ビーグル号はアルゼンチンの首都ブエノスアイレスの南西約650キロの湾に臨むバイア・ブランカ近くの入植地に錨(いかり)を下ろし、1カ月余り停泊した。パンパと呼ばれる肥沃な草原が広がり、海岸沿いでは、その光景に代わって、草が砂の流出を止めて形成された砂丘が続いていた。

 狩猟に出た乗組員は、シカやアグーチ(げっ歯類)などを捕らえてきた。そこにはアルマジロ数匹と、ダーウィンが「ダチョウ」と呼んだ大型の飛べない鳥が1羽含まれていた。もちろんアフリカに生息するダチョウではない。南米だけに生息するレアの1種、アメリカレア(学名Rhea americana)だった。

 ダーウィンは9月18日付の日記に風変わりなメニューを書き記している。「今日のディナーで私たちが食べた物を英国で紹介すれば、とても奇妙に聞こえるだろう。ダチョウの肉団子とアルマジロである」

 ダーウィンは自然だけでなく、現地のさまざまな風物を見聞した。のちの著作『ビーグル号航海記』のもとになった航海日誌を見ると、科学のみならず、文化や人々の暮らし、政治にも関心をもっていたことがわかる。大型の鳥の赤身の肉は、牛肉に似ていると、ダーウィンは書いている。甲羅をはずしたアルマジロは、味も見た目もカモのようだった。

Back2next

年間購読のお申込はこちら

ナショナル ジオグラフィック バックナンバー