/2009年1月号

トップ > マガジン > 2009年1月号 > 特集:北極探検 二つの物語


定期購読

翻訳講座

ナショジオクイズ

クズリというこの動物で正しいのは?

  • イタチ科
  • クマ科
  • スカンク科

答えを見る

ナショジオとつながる



特集


北極探検
二つの物語

JANUARY 2009

文=ピーター・ミラー 写真=ボルゲ・オウスラン、トマス・ウルリッヒ

地探検の先駆者ナンセンの足跡をたどり、二人の冒険家が北極探検に出発した。

 最初にそれを見つけたのは、トマス・ウルリッヒだった。水平線上に、細長い真っ白な雲のようなものと1本の黒い筋が見えたのだ。いくつもの影が筋の上を通り過ぎていった。動く影は雲だが、黒い筋は雲ではなかった。

 「陸地が見えた気がする」。ウルリッヒはボルゲ・オウスランにこう告げた。ウルリッヒとオウスランはこの6週間、100年以上も前に北極探検に挑んだ偉大な探検家であるフリチョフ・ナンセンとヒャルマー・ヨハンセンの足跡をたどってきた。オウスランとウルリッヒは北極点を出発してスキーで974キロ移動し、フランツ・ヨシフ諸島の北岸近くまで到達していた。1895年に北極点到達を試みたナンセンとヨハンセンも、このシベリアの最果ての地にたどり着いたのだった。

 ノルウェー人であるオウスランは、その国の多くの少年たちと同じように、ナンセンの冒険物語を読み聞かされて育った。後年、彼はこうした物語の影響から、プロの冒険家、ガイドとして14回も北極点を訪れ、人類史上初となるスキーによる単独・無支援の北極点到達も果たした。そして、オウスランは登山家で写真家のトマス・ウルリッヒとともに、112年前にナンセンとヨハンセンが進んだ恐るべきルートをたどるという、史上空前の試みに挑んでいるのだ。

 「ナンセンの本を持っていたので、彼らと同じ体験を自分たちがいくつもしているのがわかった」と、ウルリッヒは語る。さらにオウスランがこう付け加えた。「ナンセンたちのように、僕らもスキーとカヤックを用意したが、速く移動するために犬ではなく、パラセールを使ったんだ。僕らには通信機器とGPS(全地球方位システム)装置があるけど、ナンセンたちは自分たちの位置すらはっきりとわからなかっただろう」

 ウルリッヒが見つけた陸地は、エヴァ・リヴ島だった。ナンセンが妻と娘にちなんで命名した島だ。最初にエヴァ・リヴ島を目にしたとき、ナンセンとヨハンセンは1日か2日でたどり着けると思ったが、実際には13日もかかった。

-- この続きは、ナショナル ジオグラフィック 日本版2009年1月号でお楽しみ下さい。 --


ナショナル ジオグラフィック バックナンバー