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特集

知られざる
米大統領の日常

JANUARY 2009


 引っ越しのごたごたが落ち着けば、「ホワイトハウスは何よりもまず大統領一家にとっての住まいです」とウォルターズは言う。「大統領の家族がホワイトハウスのやり方に合わせるのではなく、それぞれの家族のニーズに合わせて対応することがスタッフの仕事なのです」

 一家にとって快適な環境を整えるため、11月の第1月曜の翌日の火曜日に行われる大統領選挙が終わり、現職の大統領に招待された次期大統領がホワイトハウスを訪れた後なるべく早く、ウォルターズは次期大統領夫人にさまざまな質問をする。どの部屋を寝室にしたいか? 浴室にはどんなブランドの歯みがきを用意すればいいか? 食品庫に常備しておいてほしいスナックは?、といったことだ。

 ブッシュ第43代大統領は堅焼き菓子のプレッツェルが好物で、これが2002年に大問題を起こしたことがある。ホワイトハウスの寝室でアメリカン・フットボールの試合を観戦していて、プレッツェルを喉に詰まらせ、気を失って倒れたのだ。その後、意識を取り戻したものの、一部始終を見ていたのはペットの犬だけという危機的な状況だった。父親のジョージ・H・W・ブッシュ第41代大統領(1989年1月-1993年1月)は、出身地であるテキサス州のホームメード・アイスクリームを好んでリクエストした。

 では夕食の献立は? ホワイトハウスの地階にあるメーンキッチンでは、大統領夫妻は料理をしないのが通例で、ホワイトハウスの料理人が用意する毎週のメニューのなかから好きなものを選ぶというやり方をとってきた。家族の居室がある2階にはプライベートキッチンがあり、ビル・クリントン第42代大統領(1993年1月-2001年1月)夫妻はパーティーが終わると、そこで冷蔵庫の残り物をつまみにシャンパンを飲んでくつろぐのを好んだ。

 ホワイトハウスで開かれる公式晩餐会、議会関係者を集めたバーベキューパーティー、クリスマス休暇中の外交団を招いたレセプションは税金でまかなわれるが、日常的な家族の食費や個人的に客を招待したときの費用はすべて大統領の負担だ。ホワイトハウス入りしたほとんどの大統領は、最初の数カ月、あまりの食費の高さに目を丸くする。

 「文句を言わなかった大統領は私の知る限り一人もいません」とウォルターズ。なかでもジミー・カーター第39代大統領(1977年1月 - 1981年1月)のロザリン夫人の驚きようは特筆ものだ。「夫人の出身地であるジョージア州の物価はワシントンD.C.より安かった。率直に言ってホワイトハウスには世界でも一流のシェフぞろいで、料理のつけあわせや盛りつけなど、まるでレストランのようですから」

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