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ゴリラの家庭学

FEBRUARY 2008

ニシローランドゴリラ

文=ハイディ・シュルツ

 ニシローランドゴリラは、ゴリラの4つの亜種の一つで、中央アフリカのコンゴ盆地に広がる海抜わずか100メートルほどの湿地林に住んでいる。彼らはシルバーバック(成熟した雄)、交尾相手の雌数頭、彼女たちの生んだ子どもからなる小さな集団をつくり、移動しながら生活する。

 野生のニシゴリラは今も数万頭が生き残っているが、国際自然保護連合(IUCN)は最近、この大型類人猿の分類レベルを「ごく近い将来における絶滅の危険性が極めて高い種」から、「絶滅の危険にひんしている種」へと引き上げた。最大の脅威の一つはエボラ出血熱で、過去20年の間に、ガボンとコンゴ共和国に生息するニシゴリラの95パーセントがこの病気のために命を落とした。

 エボラ出血熱がどのようにゴリラに感染、伝播していったのかは正確には分かっていないが、研究者らはニシローランドゴリラの摂食方法や移動の習慣から、ウイルスが彼らの間で一気に拡大したのだろうと考えている。ゴリラは毎日長い距離を、食物、とりわけ果物を探すために移動し、彼らの通り道はたいてい重なり合っている。別の集団に属するゴリラが同じ木から果物を採ったり、同じ沼で食事をすることも多い。このため、病気に感染したゴリラが菌を含んだ尿や便、唾液を樹上や木のまわりに残し、そこへ他のゴリラがやってくるという事態が起こる。また、ゴリラは仲間の死骸に興味があり、偶然に死骸を発見したときにはじっくりと観察するため、これがエボラ出血熱感染の危険性を増大させている、という研究報告もある。

 科学者らは、ゴリラやチンパンジー用のエボラ出血熱ワクチンの研究を進めている。現在はまだ開発段階だが、数種の試験ワクチンが、研究所のサルを使った実験で成功を収めている。野外実験も進行中で、ワクチン投与の方法として、矢を利用するか、あるいはエサを使って口から接種させる方が有効かについて検証が行われている。実験はまだ始まったばかりで、本物のワクチンは使用されておらず、逃げ足の速さには定評のあるゴリラを矢で狙うのがどれだけ難しいか、あるいはどんなエサなら食べてくれるのかを見きわめることに主眼が置かれている。


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