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特集

海を支える
小さな生命

JANUARY 2008

文=ジェニファー・S・ホーランド 写真=デビッド・リトシュワガー

としずくの海水の中にも、多彩な生命がひしめく小宇宙が広がっている。不思議な美しさに満ちた海中の生態系。その思いがけない表情を紹介する。

 「小さいことは素晴らしい」 と、高名な経済学者E・F・シューマッハーは言った。ちっぽけな生き物が無数にひしめく、この惑星にふさわしい名言だ。ひとすくいの海水に目を凝らせば、微小な遊泳生物や漂流生物の大群集が見えてくる。顕微鏡でやっとわかるものや、ほとんど透明なもの、形を変えながら波間に漂うゼリー質の生き物たち――。素早く泳ぎまわるのは、見慣れた姿かたちをそのまま小さくした稚魚や、イカやタコの幼生だ。かたい殻や毒で身を守り、暗がりにまぎれて活動するなど多彩な戦略を凝らしてみても、結局ほとんどは食べられてしまう。小さな生物同士で食い合うこともあれば、大きな魚や、大量の生物を吸いこむクジラの餌食になることもある。

 写真家デビッド・リトシュワガーはこの小さくも壮大なドラマを求め、米国海洋大気局(NOAA)の科学者たちとハワイ諸島沖に赴いた。この海では、栄養分の乏しい外海で生き残るため適応を遂げた生物たちが、豊かな多様性をみせている。夜、水中にライトを灯すと、身をくねらせながら光に向かってきたのは「実に多彩な生き物たちだった」と彼は言う。

 特殊なレンズで光を集めて透明な生物の輪郭を浮かびあがらせ、側方からの照明でカレイの稚魚を玉虫色に光らせる――光の技巧を駆使して写真家がとらえた、肉眼ではほとんど見えない生き物たちを見てみよう。


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