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闘う運命の兄弟
Art by Vania Zouravliov
7世紀の初め、ティカルで薄幸の運命を背負った二人の王が生まれた。バラフ・チャン・カウィールは幼いうちに、交易の拠点ドス・ピラスを支配すべく現地に送られ、もう一人はティカルの王となる。ティカルの敵国カラクムルは、ドス・ピラスを征服し、その王を捕らえてティカルに立ち向かわせた。ドス・ピラスはティカルを打ち負かし、バラフ・チャン・カウィールは自分の兄弟を含む血縁者を生け贄に捧げた。ドス・ピラスの階段には、「頭蓋骨の山が築かれ、血の川が流れた」と刻まれている。しかし、ティカルとカラクムルの覇権争いは続き、暴力の連鎖は古典マヤ文明に破滅的な結末を招いた。