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特別インタビュー

「銃・病原菌・鉄」の今

JULY 2007

写真=Pieter de Vries/Lion TV

ジャレド・ダイアモンド
1937年、米国ボストン生まれ。専門の生物地理学や生理学に加え、文明論の著作もある。1998年のピュリツァー賞受賞作『銃・病原菌・鉄』、『文明崩壊』(ともに草思社)など著書多数。

ラリアとスペイン風邪は何が違う?地理的条件が人類の未来をどう変えるのか?「銃・病原菌・鉄」の著者ジャレド・ダイアモンド博士に語ってもらった。

 ピュリツァー賞を受賞した著書『銃・病原菌・鉄』で、ジャレド・ダイアモンド博士は人間社会の謎を解き明かすために、1万3000年にわたる人類史を研究対象に選び、世界各地で、さまざまな発展段階にある社会を調べ上げている。

 日本でも話題を呼んだこの書籍が映像化され、7月にDVD『銃・病原菌・鉄』として日本でも発売されることになった。

「あなたがた白人は皆、たくさんのものを持ってニューギニアにやってくるのに、なぜ自分たちはこれまで“積み荷”(カーゴ・価値ある物資)をほとんど生み出せなかったのか」

 ニューギニア人の政治家ヤリから、こんな素朴な疑問を投げかけられた博士。地域間で広がり続ける格差の根底に何があるのか? その答えを求めて旅に出る。

 博士は米国カリフォルニア大学ロサンゼルス校の地理学教授で、ナショナル ジオグラフィック協会付き研究者でもある。これまでにニューギニアとその周辺の島々を22回訪れているほか、北米、南米、アフリカ、アジア、オーストラリアで多数の現地調査プロジェクトにかかわった。歴史を動かす「病原菌」の一つ、本号の特集で取り上げたマラリアについても、人類史における位置づけを考察。国力が疲弊するほどの大流行に苦しむアフリカ・ザンビアへも足を運んだ。そんな博士に、改めて話を聞いた。

(聞き手=藤田宏之 本誌日本版編集長)

世界の地域間に存在する格差を意識したのは、いつ頃ですか?

 私は、米国の東海岸にあるボストンで生まれ育ちました。先進国の人々がほかの社会の人々よりもたくさんの“積み荷”を持っていることは、ほかの子たちと同じように、学校で知識として学びました。ですが、実際にそのことを目の当たりにしたのは、“積み荷”をほとんど持たない開発途上国に自分で出かけるようになってからのことです。1963年のペルー、翌64年のニューギニアを皮切りに、各地を訪れています。

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