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特集

幻の鳥
ハシジロキツツキを追う

JANUARY 2007

文=メル・ホワイト 写真=ジョエル・サートレイ

国では絶滅したと考えられていたハシジロキツツキ。その生存が2005年に公表されるや、その真偽をめぐって激しい論争が巻き起こっている。

 2006年3月16日午前7時30分。米国アーカンソー州のホワイト川国立野生生物保護区にある広大な森の中。そのとき私がいた北緯34度6分48秒、西経91度7分43秒の地点には、間違いなくハシジロキツツキはいなかった。このことは誓ってもいい。

 なんとも奇妙な文章で始めたのには、ちょっとした訳がある。こと「神のみぞ知る鳥」とすら呼ばれる幻の鳥、ハシジロキツツキについて語る際には、こんな誤解されようのない記述でなければ論議を呼びかねない。慎重のうえに慎重を重ねる必要があるのだ。

 その日、私は50人ほどの参加者とともに、米コーネル大学の鳥類学研究室(CLO)が実施した調査に加わった。調査区域となったのは、CLOの生物学者が、ハシジロキツツキがいるかもしれないと見当をつけていた森で、私は鳥たちのさえずりを聞きながら、早朝から双眼鏡とカメラを手にみじろぎもせず丸太に座ってじっと待ち続けていた。

 そんなことは無駄だと言う人がいるのは百も承知だ。米国ではハシジロキツツキは何十年も前に最後の1羽が死んでしまい、いま目にすることができるのは博物館にある干からびた標本だけ。いくら森の中で待ちかまえていても、幻の鳥が姿を現すことは決してない、と主張する人は少なくない。

 一方で、ハシジロキツツキは絶対にいると信じている人たちは反論する。この鳥は、今では子鹿のように用心深くなっていて、容易には人目につかなくなっているだけだと。

 その説に従うと、冒頭に記した場所と時間にハシジロキツツキはいなかったと私は確信しているが、もしかしたらそれは誤りで、実際にはどこかにいたのかもしれない。

このハシジロキツツキの特集では、「だが」とか「それなのに」「しかし」「もしかしたら」「にもかかわらず」「かもしれない」といった言葉を頻繁に使わざるを得ない。きっと一番よく使うのは「おそらく」という言葉だろう。

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