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特集

アカメアマガエルの
驚異の護身術

DECEMBER 2006

文=ジェニファー・S・ホーランド 写真=クリスチャン・ツィーグラー

米コスタリカの熱帯雨林に生息する、ぎょろりとした赤い目が印象的なアカメアマガエル。その不思議な繁殖行動を追った。

  明るい緑色の体に、赤い目玉。オレンジ色の吸盤が鮮やかな、ひょろ長い脚。体長5~8センチのアカメアマガエルは、まるでカラフルなキャンディーのように愛らしい。捕まえて手のひらにのせてみたくなるかもしれないが、そっとしておこう。この小さなカエルはびっくりするような生涯を送っているのだ。  雨期に入ると、中央アメリカの熱帯雨林は生き物のざわめきであふれる。「チョッチョッチョッ」という鳴き声はアカメアマガエルの求愛の歌で、池の周りに無数の歌声が響きわたる。カエルたちは伴侶を求め、樹上のすみかを離れて下りてくる。雄はとっくみあいながら雌の上に乗り、先を争って卵を受精させようとする。

 雌は背中に雄を1匹、時には2匹乗せたまま、茂みから茂みへ、葉から葉へと一晩中さまよう。寒天質に包まれた卵を産むのによい場所を、水辺で探すためだ。夜が明けると、きらきら輝く何百もの卵塊がおぼろげに見えてくる。一つの卵塊には多くて100個の卵が含まれていて、それを目当てに捕食者がやってくる。

  アカメアマガエルの産卵シーズンが続く雨期の間、湿った卵塊は少し揺れただけでもちらちらと光り輝き、捕食者の格好のえじきとなる。卵がかえるまでの6日の間に、ヘビは卵塊をまるごと狙い、ハチは卵の中から孵化する前のオタマジャクシを1匹ずつ引き抜いて餌にする。結局、卵の半分以上は食べられてしまう。やや小さい同属のカエルは、これほどの被害を受けない。産卵回数が少なく、一度に大量の卵を産むので、ヘビやハチに食べられたとしても、影響はほとんどないからだ。

 しかし、アカメアマガエルの卵も、なす術もなく捕食者にただ食べられるわけではない。彼らは身を守るため、洗練された護身術を発達させてきた。二日以内に孵化するところまで卵の中のオタマジャクシが育っていれば、攻撃されても瞬時のうちに卵を飛び出し、安全な水中へと逃れることができるのだ。    さらに、揺れを感じた際に、捕食者に攻撃されているせいか、それとも風や雨によるものかを判断できるというのだから驚きだ。その判断材料にしているのは、揺れの頻度や長さ。しかも、さらに驚くことには、攻撃してきた相手に応じて、その護身法も変わるのだ。

本誌には、より詳しい情報が掲載されています。ぜひ本誌もお読みください。


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