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取材ノート
スモーキー・マウンテンズ国立公園

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ライターの取材ノート
アダム・グッドハート

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写真家の取材ノート
マイケル・メルフォード

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「取材現場から」は、筆者と写真家へのインタビューを編集したものです。
本誌の記事と一部が違うことがあります。

写真提供=Mark Thiessen(上)and Michael Melford

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取材現場から 取材現場から PHOTO
スモーキー・マウンテンズ国立公園

ライターの取材ノート
アダム・グッドハート
Best 最高の経験

 スモーキー・マウンテンズで取材を始めて一週間もたたないうちに、私はクマを素手で捕まえた……というか、それに近いことをするはめになった。国立公園所属の野生生物学者ビル・スティーバーに同行して、キャンプ場周辺に出没して問題を起こしているクマを探しに、ルコント山の山頂へ行ったときのことだ。
 スティーバーがクマ用の足わなをしかけ、クマをおびき寄せるためのイワシの缶詰を置いた。やがて夜になり、ふたりとも寝床に入った。夜明け前、クマがイワシのにおいをかぎつけた。姿を見るより先に、音が聞こえた。フゥフゥという荒い息づかい、茂みの中でばたばたと暴れる気配、そして顎を咬み合わせる音。クマはがっちりとわなに捕らえられており、右前脚にはワイヤーが巻きついていた。
 「前にまわってヤツの気を引いてくれ」とビルは言った。「私が後ろから麻酔を注射するから」。そりゃ名案だ。ライターを生け贄にするってわけだ。胸の高さまでのびた草をかき分けながら、あぶなっかしい足取りでクマの前方へとまわり、体の前でノートを左右に振った。「おい、クマ」と呼びかける。「こっちだ!クマ!」。クマと目があった。その瞬間、わなの存在が頭から消し飛び、ひと花咲かせる前に私の人生は終わってしまうのか、という考えが浮かんだ。しかし、その時すでにビルが注射用のポールを持って後ろにまわっていた。麻酔薬が効き始めるや、クマはふらふらとよろめいて横向きに倒れ、大きな頭部を地面に横たえた。目は見開き、胸が波打っていた。
 ビルは1分ほど様子を見てからクマに近づいてワイヤーを外し、投げ出された後ろ脚を持つよう身振りで私に指示すると、自分はクマの頭と肩をそっと持ち上げた。クマを担架に乗せて茂みを出た私たちは、見物していた観光客の拍手喝采に迎えられた。


Worst 最悪の体験

 スモーキー・マウンテンズで過ごしたある土曜の夜、国立公園の敷地のすぐ外にあるというバーを探しに出かけた。地元の人たちによると、そのバーでは、頼み方さえ知っていれば、本物の密造ウイスキーを味わえるという。バーのウエートレスに、“ヒョウのおしっこ”をくれ、と言えばいいらしい(安ウイスキーを意味する“ヒョウの汗”をひねった言葉だ)。教わったとおり、長い田舎道を突き当たりまで行くと、たどり着いたのは大型のハウストレーラーをふたつつなげたような造りのバーだった。ボックス席に座ってウェートレスに笑いかけ、明るい調子でこう言った。「この店のヒョウのおしっこがおすすめだって聞いたんだけど」。
 北部訛りのアクセントがまずかったのだろうか。彼女は私をじっと見つめると、こう言った。「それだったら、もう置いてないわ」。バーにいる全員の視線が、私に注がれているような気がした。すっかり気弱になり、普通のビールを頼んで一気に飲み干すと、大急ぎで店を出た。


Quirkiest 最も奇妙な思い出

 数年前、エルクの一群がカナダのマニトバ州から輸入され、スモーキー山脈の東端にあるカタルーチー渓谷に放たれた。この土地はかつて、放たれたエルクの先祖(というより、遠い親戚と言った方が近いだろう)たちが、18世紀の開拓者たちの徹底的な乱獲にあった場所だ。現在、エルクは地元民や観光客の間で人気者となっている。
 ある日曜の午後、渓谷は観光客に埋め尽くされていた。彼らは皆、冷たいビールと折りたたみイスを持参している。まるで野球観戦にでも行くかのようだ。彼らの目当ては、食事の時間にすみかの森から姿をあらわし、草原で草をはむエルクを見物することだ。渓谷を横切る一本道は、車やピックアップトラックで渋滞していた。大きな雄ジカが若木を食べるのを見物しようと、人々が路肩に群がっていたからだ。シカと人間、どっちが面白い見せ物だったかと問われれば、私にはどちらとも決め難い。









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