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取材ノート
アフリカ最後のオオカミ

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筆者の取材ノート
バージニア・モレル

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写真家の取材ノート
アヌップ・シャー

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「取材現場から」は、筆者と写真家へのインタビューを編集したものです。
本誌の記事と一部が違うことがあります。

写真=Saadia Iqbal (上) and Rebecca Hale

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取材現場から 取材現場から PHOTO
アフリカ最後のオオカミ

筆者の取材ノート
バージニア・モレル
Best 最高の経験

 「クオリー」と名づけられたエチオピアオオカミの群れが、私たちのキャンプから数キロのあたりを縄張りにしていた。その群れを支配する“アルファ”の雌には、生後7週間ほどの子どもが6匹いて、エチオピアオオカミ保護プログラムの生物学者ルーシー・タレンツは、その成長を定期的に記録していた。丸一日、子どもたちの観察をするという彼女に同行することにした。
 オオカミを観察するのは大好きだ。社交的で、美しくて、私たちの存在をさほど気にしないでいてくれる。子どもたちがいれば、観察はさらに楽しい。じゃれあい、たたきあい、古くなったネズミの骨を取り合い、茂みにいる架空の獲物を追いつめてみたりする。母親や、ほかの大人がやってくると、すぐに遊びをやめる。お腹を空かせた6匹の子どもたちは、大人たちの口を必死になめ、食べ物をはき戻すようせっつく。ある時、母親が大きなサバンナネズミを口にくわえて戻ってきた。子供たちは、この餌を食べられるという期待から、一瞬動きが止まった。すると、1匹の子オオカミが母親のところに行き、ネズミを奪って密集した茂みに逃げ込んだ。「あれがきっと、子どもたちの中のアルファですね」とタレンツは言う。しかし、母親はネズミの肉をはき戻し、ほかの子どもたちにも与えてから、横たわって乳を与えていた。


Worst 最悪の体験

 バレ山に到着したのは、エチオピアオオカミの狂犬病の流行がおさまりかけた時だった。ある谷では、そこに生息するオオカミのほぼ半数が死に、研究者らはサネッティ高原の標高の高いところに生息するオオカミにまで病気が広がることを懸念していた。彼らは以前にも、なじみのある、愛するオオカミたちが狂犬病で死んでいくのを目の当たりにした経験があるのだ。だから、キャンプの助手が、高原でオオカミの死体を見つけたという知らせには、胸が痛んだ。キャンプ全体が、不安に身を震わせているようだった。その死体は腐敗が進んでいて、死因を特定することはできなかった。しかし、何日もの間、やせたオオカミや、弱っているように見えるオオカミを目にするたびに、狂犬病が広がったのではないかと心配した。このオオカミがいかに危険にさらされているか、そして、忍びがたい悲劇と隣り合わせの存在であるかを実感した。狂犬病が発生し、何の手も打たずにいれば、簡単に絶滅してしまうのだ。


Quirkiest 最も奇妙な思い出

 エチオピアオオカミ保護プログラムの生物学者、デボラ・ランドールは、オオカミの遺伝的特徴を研究していた。オオカミの糞を集め、研究室に持ち帰って分析すれば、いろいろなことがわかる。だから、いつでも糞が回収できるように、デボラは小さなビニール袋を常に携帯していた。糞は、彼女にとって黄金のようなものなのだ。彼女は、「この子オオカミたちの父親は誰?」といったことを知りたがっていた。
 ある朝、彼女と私はオオカミのねぐらに行き、地面を這い回って子オオカミの糞を探した。彼女の手伝いを申し出たのだ。四つんばいになり、黒くてねばねばした糞を棒でビニール袋の中に入れた。それはまるで、古くなったチョコレート菓子のように見えて、さほどつらい作業ではなかった。









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