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特集

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文=キャロル・コフマン 写真=スティーブン・コギー

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南洋に生息する謎の“囚人魚”

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謎に満ちた生態の解明に挑む女性海洋生物学者

詳しくは本誌をお読みください。

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今回の特集に関してもっと知りたい方に、参考となる情報を提供します。





特集関連の豆知識

 海洋生物学者のユージェニー・クラークは、サメと一緒に泳いで間近で研究した「サメ博士」として有名だ。83歳になる彼女が今注目しているのは、その体の縞模様から“コンビクトフィッシュ(囚人魚)”と呼ばれている魚だ。この魚の生態は謎だらけで、7年間研究を続けてきた今でも、成魚が何を食べ、どのように繁殖するかさえわかっていない。
 1998年、パプアニューギニアの海で初めて出合ったのがきっかけで、クラークはこの奇妙な魚に関心をもつようになった。調査チームのダイバーたちが、サンゴ礁に開いた穴へと姿を消す小さな稚魚の群れを見かけたのだ。穴からのぞく、ウミヘビに似た頭(後に成魚と判明)も目撃した。「あれはいったい何という魚なんだろう、と思ったのです。この時は、種の同定もできませんでした」
 クラークは稚魚を持ち帰って詳しく調べ、この魚がポリディクテュス・レウコタエニア(学名Pholidichthys leucotaenia)であるとつきとめた。海よりも水族館でよく見る魚で「コンビクトブレニー」あるいは「エンジニアゴビー」などとも呼ばれているが、DNAを調べた結果、既知のどの科の魚ともつながりはないことが判明した。
 クラークのチームはソロモン諸島へ調査に出かけ、稚魚たちが海底やサンゴ礁に開いた穴から、一斉に泳ぎ出す早朝の光景を撮影した。体長0.5~9センチほどの稚魚は、日中は巣穴から50メートルほど離れた海でプランクトンを食べて過ごし、日暮れになると自分の巣穴に戻ってくる。「サンゴ礁の魚で、赤ちゃんが親の元に帰ってくるのはこの種だけ」とクラークは言う。
 稚魚が食事に出ると、成魚は巣穴の掃除に取りかかる。巣穴に流れ込んだ砂や小石を口いっぱいに含んでは、外に吐きき出す作業を続け、穴の周囲には砂や小石の山ができる。扇状に広がった砂の山は、稚魚が巣穴に戻る目印にもなりそうだ。
 巣穴での生態を探るため、クラークと写真家のスティーブン・コギーは小型ビデオカメラを巣穴にもぐり込ませた。推定で長さ6メートルほどの巣穴の中で、稚魚の集団は、細い粘液の糸で頭から天井にぶら下がって夜を過ごす。「体を天井に固定する理由はわかりませんが、じっとしていることで、酸素とエネルギーを節約しているのでしょう」とクラーク。
 体長50センチ近い成魚が、餌を探しに巣穴を離れる様子がないのも謎だった。稚魚を口に含んでは吐き出す行動がよく観察され、「最初は稚魚を食べているのかと思いました」とクラークは言う。だが成魚の胃からは緑色の内容物しか見つからない。稚魚の排泄物を食べているのだろうか。あるいは稚魚が消化したプランクトンを吐き戻している可能性もある。もしそうなら、子が親を養う魚として初の発見例になるだろう。

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関連リンク

ユージェニー・クラーク博士のサイト:60年以上にわたり世界中の海で海洋生物の生態を研究してきたユージェニー・クラーク博士。このサイトでは、博士の長きにわたる輝かしいキャリアを知ることができる。経歴、出版物リスト、博士の人生ならびに研究に関するFAQなど。
http://www.sharklady.com

モート海洋研究所:ユージェニー・クラークが50年前、フロリダ州サラソタに設立した研究所。現在は、水中毒物学やサンゴ礁生物学、海洋考古学など、海洋生物学をさまざまな側面から研究している。研究所のサイトでは、一般公開されている水族館のバーチャルツアーをはじめ、モート・サメ研究センターや海岸環境センターなどの研究プログラムが紹介されている。
http://www.mote.org



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