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取材ノート
グルジアのドマニシ原人

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筆者の取材ノート
ジョシュ・フィッシュマン

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写真家の取材ノート
ケネス・ギャレット

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「取材現場から」は、筆者と写真家へのインタビューを編集したものです。
本誌の記事と一部が違うことがあります。

写真=Rebecca Hale (上) and Kenneth Garrett

取材現場から 取材現場から PHOTO
グルジアのドマニシ原人

筆者の取材ノート
ジョシュ・フィッシュマン
Best 最高の経験

 美しいドマニシ地方を訪れたことを別にすれば、国籍がさまざまに異なる人々で構成された、実に素晴らしい発掘隊と仕事ができたことが最高の経験だった。発掘隊の古生物学者や人類学者たちは、グルジア共和国、米国、スペイン、フランス、オランダ、イタリアから集まっており、現場では岩の層を掘り進む作業に全員が力を合わせていた。特定の国の人が場を仕切るということもなく、気を紛らわすためにみんなが声を揃えて歌った。みながよく歌ったのは80~90年代のアメリカのポップスで、こうした歌が国境線を消し去ったかのようだった。夜になると隊員たちは、山と積まれた岩の破片から小さな骨のかけらを取り出すという細かい作業に辛抱強く取り組んだ。全員が信じがたいほどの情熱とやる気に満ちていた。


Worst 最悪の体験

 ドマニシでは動物の化石が多く出たので、発掘にはマッシモ・デルフィーノというイタリア人の爬虫類学者が参加した。マッシモは化石だけでなく、森にすむ生きたヘビにも興味をもった。ある日彼は、すべすべとした美しい黒ヘビを連れてきた。ヘビは体長30センチほどで、住宅地で見つかる種類と同じく無害だったが、触られるのを嫌がった。実際2度もマッシモに噛みついたのに、私はこのヘビをじっくり眺めたくなった。体の上でこのヘビを自由に這わせたが、シャツの中に入り込もうとしたので引きずり出した。とそのとき、親指をガブリとやられた。おそらくヘビはほとんどの歯をマッシモの腕に残してきた後だったろうし、毒も持っていなかった。しかし今や私は、「ナショナル ジオグラフィック誌の取材中にヘビに襲われたんだ」と自慢できるようになった。詳しい事情を知らなければ、誰もが感心するに違いない。


Quirkiest 最も奇妙な思い出

 発掘現場近くの森を歩いていると、4人の男がワインとチーズとソーセージを広げてピクニックをしているのに出会った。手作りのグルジアワインの入った水差しがいくつか置かれていた。彼らは英語が分らず、私もグルジア語を話さないので、彼らはただグラスにワインをなみなみと注いでくれ、私たちは会話の替わりに乾杯をした。こうして2、3時間が過ぎた。しかし私が暇乞いをするたび―そもそも私は、記事の取材に来ているのだ―彼らはとても悲しそうな顔をした。親切を無にしたくはなかったので、私はじっとそこに座って笑みを浮かべ、日暮れが近づくのを待った。やがておもむろに立ち上がり、深くお辞儀をすると、走って逃げた。
 ようやくキャンプ地に帰り着いたわたしは、みなにことの次第を話した。彼らは大いに笑ったが、実は親切なグルジア人に“拉致”される被害には、全員があっていたのだという。それからというもの、私たちはこのグルジアの慣習を“キッドナッピング(拉致)”ならぬ“ピクナッピング”と呼ぶことにした。









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