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取材ノート
深海底で崩れゆくタイタニック号

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筆者の取材ノート
ロバート・D・バラード

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写真家の取材ノート
バート・フォックス

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「取材現場から」は、筆者と写真家へのインタビューを編集したものです。
本誌の記事と一部が違うことがあります。

写真=Robert D. Ballard(上) and Mark Thiessen

取材現場から 取材現場から PHOTO
深海底で崩れゆくタイタニック号

写真家の取材ノート
バート・フォックス
Best 最高の経験

 多くの人が子供の頃からタイタニックの物語と歴史に慣れ親しんできた。タイタニックは難破船を象徴する存在だ。だからコントロール室に座って探査機から送られてくる船首の映像を大きなプラズマ・スクリーンで見たときは、感動で胸がいっぱいになった。私は遠隔操作探査機の操縦担当と話をしながら、いい写真を撮るためのカメラの設置場所について指示を出した。一生に一度といってよいほどの、写真編集者冥利に尽きる体験だった。すべてが自分の意のままになった。伝説の沈没船を沈没現場で目の当たりにし、機材に触れたり、指示を出して映像を撮影し、それを何百万人もの人々に見てもらえたのだ。


Worst 最悪の体験

 現地では、おおむね天候に恵まれ、穏やかな海と美しい夕映えを楽しむことができた。しかし2、3度、自然の猛威が、まるでバスタブに浮かぶマッチ棒のように私たちの船を揺らした。最悪の夜は旅の終盤に訪れた。海が荒れ狂ったのは、作り付けの寝台の上にあがっているときだった。時間は遅々として進まず、高さが10メートルもありそうな波が、轟音をとどろかせて船首に襲いかかってきた。前の晩までは、ゆりかごの中の赤ん坊のように、船のおだやかな揺れに身を委ねていたのだが、その晩はそんな余裕はまるでなかった。ベッドに横たわっていた私は、右の壁から寝台の左の縁に放り上げられてしまい、眠るどころではなかった。夜がうっすら明けてきた頃、打ち身だらけの疲れきった体で散らかった船内をよろめきながら出ていくと、メンバーの女性が寝台から振り落とされたこと知った。薄いコーヒーをすすりながら、寝台の外に飛び出さなかっただけ自分はラッキーだったと思った。


Quirkiest 最も奇妙な思い出

 船内では、週に1度、安全訓練が義務付けられていた。全員が合成ゴムのネオプレン製のスーツで全身を覆い、船を離れる訓練だった。もしタイタニックの乗客にも同じようなスーツがあったなら、生存率は80%から90%ぐらいに上がったかもしれない。このスーツは浮かぶようにできていて、断熱効果も完璧だった。氷が解けた水の中に2、3時間いても凍えることはない。だがタイタニックの乗客にとっては、救命ボートに乗り移るしか生き残る方法はなかった。









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