ナショナル ジオグラフィック日本版 年間購読申込





$B%J%7%g%J%k(B $B%8%*%0%i%U%#%C%/F|K\HG(B

LINE

取材ノート
ヨハネスバーグの希望と不安

Line

<< 特集ページに戻る

Line

Photo

筆者の取材ノート
ピーター・ゴッドウィン

Line

Photo

写真家の取材ノート
トマス・トマシェフスキー

Line

「取材現場から」は、筆者と写真家へのインタビューを編集したものです。
本誌の記事と一部が違うことがあります。

写真=Jillian Edlestein(上) and Benjy Francis

取材現場から 取材現場から PHOTO
ヨハネスバーグの希望と不安

筆者の取材ノート
ピーター・ゴッドウィン
Best 最高の経験

 ヨハネスバーグ北部郊外のカフェで朝食を取っていて、ふと気が付くと客の半数近くが黒人だった。10年前には考えられなかったことだ。ヨハネスバーグの前途は多難だが、それでも次第に人種は混ざり合い、寛容な町になりつつある。
 神経が休まらない町との評判だが、南アフリカ共和国では最も人種統合が進んだ場所といっていいだろう。職場、競技場、映画館、商店街で、人種がまずは共存し、学校で異なる人種の子供たちが机を並べているのを見れば、アパルトヘイト政策がもたらした人種差別が過去のものになり、傷がいえ始めたことを実感する。アパルトヘイト時代の南アフリカ共和国を取材したことのある私からすれば、これは奇跡に近い。ヨハネスバーグが持つエネルギーと不屈の精神が結合すれば、希望は持てるかもしれないという楽観的な気分を抱いてこの地を後にした。


Worst 最悪の体験

 ある冬の日の遅い時刻に、警官たちに同行してヒルブローへパトロールに出掛けた。高層アパート街、ホテル、ナイトクラブが立ち並ぶ郊外のヒルブローは、かつてアフリカのマンハッタンといわれたこともあったが、今ではヨハネスバーグでもとりわけ危険な地域と考えられている。
 住人のほとんどは西アフリカ出身の不法移民だ。この晩、私たちは、ヨハネスバーグ最大の麻薬取引所とされている場所に向かった。クォーツ・ストリート沿いにホテルが並ぶリトル・キンシャサと呼ばれる一画だった。
 角を曲がったところで車を停めると、警官たちはライフルをチェックして、予備の催涙ガス弾をベルトにはさみ、全員が防弾チョッキに身を固めた。それからリトル・キンシャサめざして歩いていくと、路上の人々がシーッという声を発した。麻薬密売人に私たちが来たぞと伝えているのだ。
 すると何十人もの麻薬密売人が麻薬を持って足早に階段を駆け上がっていった。やがてシーッという音は、オオカミの遠吠えのような恐ろしいに声に替わった。敵意に満ちた遠吠えが段々と大きくなる中、警官たちは市街戦を戦う兵士のように互いを援護しながら少しづつ移動を続けた。


Quirkiest 最も奇妙な思い出

 ヨハネスバーグ郊外のキャラミ・サーキットで、高級乗用車BMWの強奪防止プログラムに参加し、強奪の手口を詳しく説明してもらって、目からうろこが落ちるような経験をした。
 自動車強奪の多くは注文に従って行われる。つまり客の求める車種と色の車が狙われる。
 強奪された車の追跡を阻止するために犯人が講じる巧妙な手口も興味深いものだった。今では多くの車に追跡装置が搭載されているが、その装置が発する信号を妨害するために、犯人はレーダーが干渉する空港の地下や送電線の下など、奪った車の置き場を工夫するという。また強奪に要する平均時間が90秒であることや、犯人たちが通りかかる車をおびき寄せるためにピクニック場をきれいにしておくことも教えてもらった。
 もし被害にあったら、急な動きは禁物だ。犯人に逆らわない被害者がよく犯すミスは、即座にシートベルトをはずそうと手を伸ばすことだ。銃を取ろうとしていると犯人に誤解されて、悲劇が起きる。もう一つ。銃口を突き付けられたら横顔を見せること。これだと相手は狙いがつけづらくなる。









本サイトに掲載の記事・写真の無断転載を禁じます。
すべての内容は日本の著作権法並びに国際条約により保護されています。
(c)National Geographic Society. All rights reserved.
(c)Nikkei National Geographic Inc. All rights reserved.

サイトマップ 著作権/リンク許可
広告出稿のご案内 会社案内
「特定商取引に関する法律」に基づく表示
個人情報保護方針 ネットにおける情報収集
個人情報の共同利用について