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取材ノート
白い大地のホッキョクグマ

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Photo

写真家の取材ノートから
ノアバート・ロージング

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「取材現場から」は、筆者と写真家へのインタビューを編集したものです。
本誌の記事と一部が違うことがあります。

写真=Mark Thiessen

取材現場から 取材現場から PHOTO
白い大地のホッキョクグマ

写真家の取材ノート
ノアバート・ロージング
Best 最高の経験

 ホッキョクグマはとにかく太陽が大好きだ。日がな一日太陽の下で遊び、ひなたぼっこをするホッキョクグマを10日間撮影した。木の下で枝と戯れるクマたちの、なかなかいいショットが撮れた。しかし長年通っている場所だけれど、こう何度も厳しい天候に見舞われたのは初めてだった。
 その冬、湾は早くから氷が張り、冬の終わる頃にはホッキョクグマの95%が湾を離れてしまった。視界ゼロの激しい吹雪にも数度見舞われた。そして風が収まってくると太陽が顔を見せ、ホッキョクグマに美しい日の光を射しかける。慌しい撮影だったが、それだけの成果はあった。


Worst 最悪の体験

 ある日曜の朝のこと。猛吹雪で、誰も新しい撮影地に同行してくれなかった。そこで私は一人で出かけたのだが、これが間違いだった。ブリザードの中、ほんの25メートルほどの距離からクマのクローズアップを撮って、撮影は順調だった。その時突然、車が雪で動けなくなっていることに気づき、私はパニックに陥ってしまった。自信も吹き飛んで、いつクマに襲われてもおかしくなかった。
 シャベルをつかむと、懸命に雪をかいた。人の目に恐怖を読み取ったら、ホッキョクグマは近づいてきて、車を窓が壊れるまで揺さぶるだろう。幸いなことに、数分後には窮地を脱することができた。クマの方も特に気にしている風もなく、近づいてもこなかった。襲われていたら、ただではすまなかった。


Quirkiest 最も奇妙な思い出

 チャーチル近くのワプスク国立公園で、ホッキョクグマの家族が巣穴から出てくるところを撮影する写真家たちに合流した。私たちが雇った3人の地元ガイドは、事前に湖のほとりにある巣穴に目星をつけていた。すんでいるのは母グマとまだ1歳に満たないかもしれない2頭の子グマだ。
 翌朝は早起きして、1時間かけて現場に向かった。そこは巨大な聖堂のような形をした雪の吹き溜まりで、ホッキョクグマの巣穴としては理想的な場所だった。双眼鏡をのぞくと、新しいクマの足跡が見えた。私たちは期待に胸を膨らませ、じっと待った。お目当ての巣穴は300メートルほど先にあり、気温はマイナス33℃、強い風が吹き付けていた。
 1日目、とうとうホッキョクグマはちらりとも姿を見せず、2日目、3日目も同様だった。私もほかの写真家たちも、クマが単に巣穴の奥深くに潜んでいるのではという希望を捨てきれないまま、さらに2日間待ったが、しまいにはしびれを切らしてしまった。とうとう地元ガイドが巣穴に近寄って確かめてみることになったが、なんと中はもぬけの殻だった! 私たちがやってくる前にクマは巣を捨てたのか、からっぽの巣穴の前で待ちぼうけをしていたのか、それは知りようもない。









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