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取材ノート
先史時代の天文盤

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筆者の取材ノートから
ハラルド・メラー

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写真家の取材ノートから
ケネス・ギャレット

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「取材現場から」は、筆者と写真家へのインタビューを編集したものです。
本誌の記事と一部が違うことがあります。

写真=Kenneth Garrett

取材現場から 取材現場から PHOTO
先史時代の天文盤

筆者の取材ノート
ハラルド・メラー
Best 最高の経験

 天文盤を取り戻した時は本当に興奮した。1年近くも探し続け、見つけられるチャンスはまずないと思っていたからだ。だが闇商人と会って、その男がシャツの下から取り出した天文盤を手渡された時は、自分の運が信じられなかった。天文盤は重さが2キロもあり、実に美しかった。手にしたとたん、これは偽物ではないと確信した。
 ただ警察からはこの闇商人が危害を及ぼすおそれがあると言われていて、不安だった。男はほとんど口をきかず、それが私を落ち着かなくさせた。後に、この男は教師だと分かったが、ときおり恐ろし気な表情を見せた。男とは、他に誰もいないホテルの地下のカフェで会った。私は怖くて、興奮してはいたが、天文盤を眺めて科学者として考え始めてもいた。何のシンボルなのだろう? 月か太陽だろうか? 悲喜こもごもではあったが、人生最大のわくわくする体験だった。


Worst 最悪の体験

 最初、同僚の研究者が撮った写真を見て、天文盤の存在を知った時は、本当に驚いた。こんな天文盤が存在するとは思ってもみなかったのだ。感動もしたが、これほどの重要な遺物が科学者ではなく、盗掘者に持ち出されたことが悲しかった。なにしろエジプトで見つかったツタンカーメンの墓にも匹敵する大発見だ。美術品の闇市場で2年以上も探しても見つからないので、取り戻すチャンスはまずないだろうと諦めていた。


Quirkiest 最も奇妙な思い出

 1年間、天文盤のことを知っている人間を探し、ついにある女性と連絡がとれた。彼女は後に、盗掘者と私たちの連絡役をつとめることになる。最初にこの女性と会った時は、おとり捜査の警察官に同行してもらった。女性には博物館の同僚だと紹介した。女性の方は、テリア犬を連れた弁護士と一緒だった。会合場所のレストランには偽物の骨董品がずらりと並んでいて、個人の美術館のようだった。
 この奇妙な雰囲気のなかで、奇妙なやりとりが始まった。まず弁護士が、考古学者は実におろかな人種だと切り出した。それから天文盤を引き渡す交渉を、誘拐にたとえて話しだした。「子供はこちらがあずかっている。そちらは金をもっている。両方を交換する時が危険だ」という。とても現実のものとは思えない体験だった。









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