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取材ノート
風の吹き抜ける南米パタゴニア

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筆者の取材ノートから
サイモン・ウォロール

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写真家の取材ノートから
ピーター・エシック

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「取材現場から」は、筆者と写真家へのインタビューを編集したものです。
本誌の記事と一部が違うことがあります。

写真=Andrés Salinero (上) and Peter Essick

取材現場から 取材現場から PHOTO
風の吹き抜ける南米パタゴニア

筆者の取材ノート
サイモン・ウォロール
Best 最高の経験

 パタゴニアの地元ガイドの助けを借りて、19世紀にこの地を旅したチャールズ・ダーウィンの足跡をたどり、アルゼンチンのリオ・デセアド川を旅した。44キロの行程は、本当にすばらしかった。時にはボートの船首に寝そべって風景を眺め、息をのむような手つかずの自然を満喫した。
 野生動物の姿も見事だった。明るいオレンジ色のくちばしに緋色(ひいろ)の足が美しいウ。アシカのコロニーを見た時は、英国のナチュラリスト、ジェラルド・ダレルの「あれほど美しい妻をめとれるなら、アシカに生まれ変わりたいものだ」という言葉を思い出した。蜂蜜色の毛皮に大きな瞳と長いまつげ──確かにうっとりするほどの愛らしさだ。
 だが何と言っても圧巻だったのは、イロワケイルカの群れとの出会いだ。イルカがボートのまわりに集まってきたので、私たちは10分ほどエンジンを止めた。輝く日の光を浴びたエメラルド・グリーンの海で跳ねる、黒と白の模様のイルカたち。パタゴニアは生命力に満ち溢れた場所だった。


Worst 最悪の体験

 妻と二人で、アルゼンチンからチリのトーレス・デル・パイネ国立公園に向かった時のこと。砂利道を延々6時間も走り続けて国境近くの税関に着くと、兵士たちが通してくれない。夕方まで待たされた挙句、このジープはアルゼンチンから出国させられないと言われた。どうやらレンタカー会社の書類に不備があったらしい。
 すでに辺りは暗くなり、泊まる場所を探さなければならなかった。来る途中で黄緑色のみすぼらしい、ふだんなら決して泊まりたくないようなホテルがあったのを思い出して引き返したが、何と満室だ。
 30キロ先の別のホテルもだめだった。8頭の犬が鎖につながれているだけで、人影もない。
 もはやなすすべのなくなった私たちは、さらに5時間走り続け、午前3時にさびれたリオ・タルボの町に出た。「空き部屋あり」の看板を見た時は、心底ほっとしたものだ。


Quirkiest 最も奇妙な思い出

 チリのプエルト・ナタレスで、昼食をとるために裏通りの小さな食堂に入った。店内は様々なアンティーク家具と劇場ポスターで飾られ、オペラ音楽が流れていた。チリの小さな漁村の食堂というより、パリのカフェのような雰囲気だ。
 だがもっと驚いたのはメニューだった。スペイン語のわきに英語の翻訳がついているが、ちょっと目を通しただけでも奇妙なことこの上ない。「チリ産アワビ、ニンニクと玉ネギ、赤いインディアンの小人添え」「ハムとチーズ、トマトソース添えのほかほか肉」などと並んでいる。デザートはなんと「ロザリオ数珠(じゅず)のジュース」。これには大笑いしてしまった。
 あの翻訳が、店の雰囲気に合わせて冗談で作られたのか、それとも店主が辞書を引き引きひねり出したものなのか、今でも分らない。私は店で最高の料理より高い5000ペソ(約900円)を払って、そのメニューを買った。店主はけげんそうな顔をしていたが、いい土産になった。









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