ある年の3月、トラベルライターのカールは、妻と3人の子どもたちを置いて、ワシントンDCのチャイナタウンから長距離バスの飛び乗った。20年間、良き夫であり良き父親だったが、とつぜん糸がプツリと切れた――。
「中年の危機」に直面した40男は、休暇で行く優雅な旅ではなく、地元の人が職や生活を求めてふだんやるように、とにかくいちばん危険で、混雑していて、遅くて、安あがりな手段だけを使って、命がけで移動する旅を選択した。地元の人びととすし詰めになり、板の間で重なりあうようにして眠る旅が、彼にもたらしたものとは。

【目次】
プロローグ 祈りのとき

第一部 南北アメリカ
第一章 行っちまえ!
第二章 ブエナ・スエルテの希望
第三章 僕の順番?

第二部 アフリカ
第四章 死と破滅の根源
第五章 その列車はとても良くない

第三部 アジア
第六章 ほら行った行った!
第七章 二九〇番目の犠牲者
第八章 泣くことしかできない
第九章 何をする?
第十章 恐怖のアリアナ航空
第十一章 望みを捨てずに待つ
第十二章 同じ同じ、でもちがう

訳者あとがき