ガボン、領海の4分の1を海洋保護区に

2014.11.17
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ナショナル ジオグラフィックによるガボン沖の海中調査で、多くの生物が石油掘削装置に付着し繁栄していることが分かった。

Photograph by Enric Sala / National Geographic
 中央アフリカの国ガボンが今月12日、自国の領海のうち約4分の1に及ぶ海域で商業漁業を禁止するとシドニーで宣言した。ヒラシュモクザメ、オニイトマキエイ(マンタ)、ジンベエザメといった絶滅危惧種が生息する海に複数の海洋保護区から成るネットワークが創設されるのは、この地域でも類を見ない施策だ。 保護区の面積は4万6千平方キロを超え、その豊かさで群を抜くガボンの海洋生物を守る役割を果たす。中でもザトウクジラ、アフリカウスイロイルカなどクジラ・イルカ20種、ウミガメ4種は貴重だ。世界最大のオサガメの繁殖地や、大西洋最大のオリーブヒメウミガメの繁殖地もこの海域に含まれる。

 ガボンの領海内にはイタチザメなど20種を超すサメやエイが生息しているが、その多くは絶滅の恐れがある。

 ガボンのアリ・ボンゴ・オンディンバ大統領は12日、シドニーで開催中の第6回世界国立公園会議の初日にこの宣言を行った。この会議には、世界165カ国から数千人の代表が集っている。

 オンディンバ氏は、「私は本日、ガボンの領海およびEEZ(排他的経済水域)の約23%に当たる海洋公園ネットワークを創設し、同区域内での商業漁業は一切認めないという我が国の決断を発表することができる」と明言した。

 今回の発表は、ガボン政府とナショナル ジオグラフィックの「原始の海プロジェクト(Pristine Sea project)」との協議の成果だ。同プロジェクトは2012年、野生生物保護協会(WCS)、ウェイト財団(Waitt Foundation)などの自然保護団体と協力し、885キロに及ぶガボンの海岸線のうち複数の地点で海洋調査を行った。

 プロジェクトを率いているナショナル ジオグラフィック協会付き探検家エンリック・サラ(Enric Sala)氏は、「ナショナル ジオグラフィックの『原始の海プロジェクト』は、海の中でも原始の自然が最もよく残っている場所に的を絞っている。手遅れになる前にこうした海域を保護できるよう、政治家たちを促すためだ。西アフリカでこのような海が残っているのは、おそらくガボンだけだろう」と話す。

「全く手つかずの自然についてどんなに想像を膨らませても、西アフリカの海にこんなに豊富な海洋生物がまだ保たれているとは予想できなかった」とサラ氏は付け加えた。

 新たに設置されるガボンの海洋保護区ネットワークは10カ所の海洋公園から成り、2002年に指定された陸地の国立公園13カ所を主体とする既存の仕組みを補完する。これらの国立公園は、ナショナル ジオグラフィック協会付きの探検家マイク・フェイ(Mike Fay)氏が主導して同国内の森林を数度にわたり調査した結果、ゴリラ、チンパンジー、マルミミゾウ、カバが豊富に生息しており、その多くは人間と全く接触したことがないと分かって設置されたものだ。

 今回の発表は、米国のオバマ政権が太平洋中央部に浮かぶ米国領の島々とサンゴ礁周辺で既に指定されているナショナル・モニュメントを拡張し、世界最大の海洋保護区を設置すると発表してから2カ月もたっていない。

 オバマ政権の決定によって、太平洋離島海洋ナショナル・モニュメント(Pacific Remote Islands Marine National Monument)は約127万平方キロにまで広がる。これはカリフォルニア州の3倍、拡張前の6倍の広さだ。

Photograph by Enric Sala / National Geographic

文=Kennedy Warne

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