地球の水の起源、誕生当時から存在?

2014.10.31
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
NASAの無人探査機ドーンのフレーミングカメラが撮影した、小惑星ベスタの南極付近。

Photograph by NASA/JPL-Caltech/UCLA/MPS/DLR/IDA
 アポロ宇宙飛行士から「ブルーマーブル」と称えられた、青く美しい地球。10月30日に発表された古代隕石の最新研究によると、その壮麗な姿の源である「水」は地球の誕生当時から存在していたという。 地球の海は、いつどこから来たのだろうか? アメリカ、マサチューセッツ州ウッズホールにあるウッズホール海洋研究所(WHOI)のアダム・サラフィアン(Adam Sarafian)氏率いる研究チームは、従来の説よりもかなり早い時期に地球に到来していた可能性を発見した。

 それは約46億年前、内太陽系のすべての天体がまだ形成中の時代だ。地球の水の起源を何億年も巻き戻すことになる。

 従来の仮説は次のような内容だ。形成当時の地球は乾燥しており、その後、高エネルギーの衝突によって表面は溶けた状態になった。水がもたらされたのは、水分を多量に含む彗星や小惑星の衝突が頻繁に起こったかなり後の時代…。

 共同研究者でWHOIの地質学者ホルスト・マーシャル(Horst Marschall)氏は、「地球の形成時に存在した水分子は、蒸発または宇宙に吹き飛ばされたという仮説がある。現在、海として表面を覆う水は、何億年も後にやって来たと考えられていた」と語る。

◆古代の隕石に着目

 しかし確証は得られていない。水が到来した正確な時期を突き止めるため、研究チームは太陽系の歴史の中で異なる時期に形成された複数の隕石の分析に取りかかった。 最古の隕石は炭素質コンドライトで、どの惑星よりも古く、太陽系創世当時の物質に関する手掛かりが含まれている。

 チームは、大型の小惑星ベスタに由来するとされる隕石にも注目。ベスタは太陽系の誕生から約1400万年後に地球と同じ地域で形成されたという。

 共同研究者でWHOIのスネ・ニールセン(Sune Nielsen)氏は、「共に原始的な隕石で、太陽系と同じ組成を多く留めている。中に大量の水を含み、以前から地球の水の起源として有力候補だった」と話す。

◆水の起源は?

 測定データによると、ベスタ由来の隕石の化学組成は、炭素質コンドライトや地球上で見つかる岩石と同じだった。つまり、炭素質コンドライトが水の共通の起源である可能性が高い。

「地球上の水は、これらの岩石と同時に降着した可能性が高い。つまり、形成当時から表面に水を湛えた惑星だったことになる」。

 研究チームは、現在の地球の70%を覆う水の一部が後から到来したという可能性を否定しているわけではない。従来の説よりも早い時期から、既に生命の誕生に十分な水が存在していたという点を強調している。

「初期の内太陽系に水が存在していたとすると、地球型惑星(水星、金星、火星)にも可能性がある。現在は厳しい環境だが、初期には水分が多く、生命が進化していたのかもしれない」とニールセン氏は説明する。

◆小惑星ベスタを観測してみよう

 2番目に大きな小惑星ベスタは、火星と木星の間の小惑星帯で太陽を巡っており、古びた表面には多数のクレーターが存在する。

 明るさは7.8等級で、双眼鏡で眼を凝らすとぼんやりとした星に似た形が見える。日没後の南西の空低く、明るいオレンジ色の恒星アンタレスの約6度上に姿を表すが、非常に暗いので光が氾濫した都会の空なら、双眼鏡や小型望遠鏡での観測をおすすめしたい。 運が良ければ星空を移動する様子を観察できるだろう。

 今回の研究結果は、10月31日発行の「Science」誌に載されている。

Photograph by NASA/JPL-Caltech/UCLA/MPS/DLR/IDA

文=Andrew Fazekas

  • このエントリーをはてなブックマークに追加