NASAの物資補給用ロケットが爆発

2014.10.29
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打ち上げ6秒後に爆発した、NASAの無人ロケット「アンタレス」(10月28日)。国際宇宙ステーション(ISS)に物資を届ける予定だった。

Photograph by NASA TV via AP
 28日夜、国際宇宙ステーション(ISS)に物資を運ぶ予定だったNASAの無人ロケット「アンタレス」が、発射6秒後に爆発、炎上。打ち上げは失敗した。 アメリカ東部夏時間の午後6時22分、バージニア州ワロップス飛行施設から真っすぐ上昇した機体は、下部から爆発、落下した模様。NASAの専門用語で“壊滅的な異常(catastrophic anomaly)”と呼ばれる状況だ。

 首都ワシントンD.C.にほど近い現場からは死傷者の報告はない。

 アンタレスが搭載した補給機シグナスは、約2.2トンの物資や実験用機器をISSの宇宙飛行士に届ける予定だった。流星観測カメラや、宇宙飛行士の腸内細菌を調べるための装置が搭載されていたという。

 600キロ以上の食料も積み込まれていたが、ISSの乗組員が食料不足に陥るおそれはない。現在もISSとドッキング中の欧州補給機による補給が、今月成功している。29日にはロシアの補給船プログレスもISSに向けて打ち上げられる予定だ。

 事故現場では、アメリカ連邦航空局がすべての記録と機体の破片を回収後、アンタレスを製造するバージニア州ダレスのオービタル・サイエンシズ社のリチャード・ストラカ(Richard Straka)氏らが原因を究明する予定だ。補給物資の民間輸送は、同社とカリフォルニア州ホーソーンのスペースX社がNASAから委託されている。

 2段式のアンタレスは、ロシア製のケロシン・液体酸素ロケットエンジンNK33を採用していると、マーシャ・スミス(Marcia Smith)氏は「Space Policy Online」でコメントしている。40年以上前に開発されたエンジンを改修後、計2基が爆発した第1段に搭載されている。NASAは2008年、オービタル・サイエンシズ社に8回の打ち上げを19億ドル(約2055億円)で委託。今回は3回目の打ち上げだった。

 NASAの情報によれば、シグナスは安全な通信を確立するための“暗号”装置も積み込んでいた。国家の安全保障に関わる機密事項のため、スタッフや目撃者には厳重な緘口令が敷かれている。爆発から1時間近く経過した爆発現場の海辺では、まだ炎上中の破片が確認できる。

Photograph by NASA TV via AP

文=Dan Vergano

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