地域絶滅のハチ、バージニア州で発見

2014.10.07
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マルハナバチの一種、ラスティーパッチド・バンブルビー。最近になって、これと同じハチが1匹、バージニア州で発見された。

Photographs by Sam Droege
 最近行われた野生生物の定例調査により、かすかな光明が見えてきた。アメリカ東部ですでに絶滅したと考えられていたマルハナバチの一種ラスティーパッチド・バンブルビー(rusty-patched bumblebee、学名:Bombus affinis)が、バージニア州のスカイ・メドウズ州立公園内に突如1匹現れたのだ。 バージニア大学の昆虫学者タイ・ルールストン(T'ai Roulston)氏によると、アメリカのニューイングランド地方と北中西部、そしてカナダの一部の開けた環境に生息するこの希少種が生息域のほとんどで絶滅の危機にあることに研究者たちが初めて気がついたのは、今から約10年前のことだという。2009年頃、アメリカ東部で目撃されたのを最後に、このハチを見たものはいない。以来、研究者たちによる懸命な探索が続けられてきた。

 今回の発見によって、ルールストン氏はスミソニアン保全生物学研究所(SCBI)の研究者達と協力して、このハチが絶滅に向かっている理由を突きとめることができるかもしれないと期待している。

 温室栽培トマトの授粉用としてアメリカに輸入されたマルハナバチに寄生していた侵入真菌のノゼマ病微胞子虫(学名:Nosema bombi)に原因があるのではないか、というのが研究者達の見方だ。ヨーロッパ原産のノゼマ病微胞子虫は女王バチの不妊を引き起こし、働きバチと女王バチの寿命を縮める原因になることもあるとルールストン氏は説明する。

 ルールストン氏らのチームはスカイ・メドウズ州立公園と周辺地域の調査を行い、今回発見された1匹の働きバチが所属するコロニーを探すことにしている。「1匹だけがブルーリッジ山脈周辺を飛び回っていたということはありえない」とルールストン氏は話す。

 問題は、コロニーがすでに残骸と化していて、東海岸でほぼ絶滅したとされるこのハチの“最後の生き残り”を研究者がたまたま捕まえたにすぎないのかどうかという点だ、とルールストン氏は言う。

 あるいは、ラスティーパッチド・バンブルビーの90%を死に至らしめた何らかの要因を免れ、バージニア州のこの地域にだけ一部の集団が生き残っているということも考えられる。

Photographs by Sam Droege

文=Jane J. Lee

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